『Destiny 2』でもゲームディレクターを務めた人物

大コケした対戦FPS『Concord』のゲームディレクターが辞任、サポート職に格下げへ

Image:Sony Interactive Entertainment

PlayStation 5 / PC用の対戦FPSゲーム『Concord』を開発したFirewalk Studiosのライアン・エリス氏が、従業員にゲームディレクター職を辞任したことを伝えた。

『Concord』は8年もの歳月をかけて開発されたAAAタイトルだったものの、発売からわずか10日でサービス終了という、まるで蝉の一生のような製品ライフサイクルを終えたばかりだ。

また、このゲームジャンルの特性として、基本プレイは無料としてプレイヤーを集めつつ、バトルパスやキャラクターなどの装飾アイテムを有料販売することで収益化するタイトルが多いなか、Concordは4000円という価格で発売されていた。

ローンチ後の販売本数約2万5000本、発売後のPC版(Steam)の最大同時接続プレイヤー数700人未満という成績は、AAAタイトルとしてはまず見ることができない大失敗だった。

Firewalkを共同設立する前にはBungieで『Destiny 2』のディレクターを務めた経歴を持つエリス氏は、今後Firewalkにとどまるものの、サポート職に降格となる。

Concordに関しては、多額の開発費用をかけた作品であるだけに、2025年にもPlayStationのゲームサブスクリプションであるPlayStation Plus用のタイトルとしてリブートされるのではないかとの予測もある。

ただ、ビデオゲーム情報サイトのKotakuは、複数のFirewalk従業員から聞いた話として、彼らはConcordの復活には悲観的であり、170人ほどいる従業員が取り組める、まったく違う仕事を何か提案するよう求められた人もいると報じている。また一部の従業員は、別のソニー傘下のスタジオが手がけるプロジェクトに合流することになるのではないかとの憶測も出ているようだ。

最近は、コロナ禍による一時的な活況が過ぎたゲーム業界内で、ゲームの開発中止やリストラが相次いでいる。たとえばソニーはドラマ化でも話題になった『The Last of Us』のオンラインマルチプレイゲームなど、グループ内で全12タイトルあったライブサービスゲームの半分を中止している。

ゲームコンソール分野でのソニーのライバルであるマイクロソフトも、1週間ほど前にXbox事業で650人の解雇を発表したばかりだ。マイクロソフトは今年はじめにActivision Blizzard買収に絡み1900人を解雇、複数のゲームスタジオを解散させている。

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