映画監督向けのカメラ機能よりも説明すべきでは

iPhone 16シリーズ、アップルが説明しなかったこと。全モデル8GB RAM、ミリ波は米国のみ、通常モデルはUSB 2.0等

Image:Apple

アップルが本日未明に開催した「時が満ちる。」イベントは1時間40分近くに及んだが、iPhone 16シリーズの全てを説明したわけではない。少なくとも2025年までは日本で使えないApple Intelligenceや、Proモデルでの映画撮影につき長い尺が割かれていたが、一方で言及されなかった/おそらく言及したくなかった要素もかなりある。

iPhone 16シリーズ全モデルに8GB RAM搭載

同社はiPhoneの内蔵RAMを公に宣伝したことはないので、基調講演で触れなかったのは特に不自然ではない。だが、ユーザーの関心が最も集まっていた箇所の1つだったのは確かだろう。

米MacRumorsは、アップル公式開発ツールXcode 16の最新版から、iPhone 16の4機種すべてに8GB RAMが搭載されていると確認したとのことだ。つまりiPhone 16/Plusは前モデルより2GB追加され、iPhone 16 Pro/Pro Maxは前年から据え置きということになる。

高速5Gミリ波対応は(また)米国モデルのみ

iPhone 12シリーズで5G通信に対応して以来、ミリ波5Gは米国モデル限定の機能となっている。それはiPhone 16シリーズでも変わることなく、他の国では依然として低速なsub-6 GHzしか使えない。

すでにミリ波ネットワークは日本や中国、オーストラリアにもあるが、まだ電波が届くエリアは限られている。ミリ波は電波が届く距離が約30m(sub-6 GHzは約150m)に過ぎず、障害物を貫通できないため、主要都市のほかは使いものにならないからだ。

新たに追加された「カメラコントロール」ボタンは、ちょうどiPhone 15シリーズではミリ波アンテナがあった箇所にある。本体フレームに組み込まれ、目立たなくなった格好だ。

他の国向けモデルでは最初からミリ波アンテナがなく、代わりに物理SIMスロットがある。これは米国モデルではiPhone 14シリーズから廃止され、iPhone 16シリーズでもないままだ。

iPhone 16/PlusのUSBーCは低速なUSB 2のまま

昨年のiPhone 15シリーズは、ついにLightningポートからUSB-Cへと移行した。そのうちProモデルは最大10Gbpsの高速なUSB 3仕様だが、iPhone 15/Plusの標準モデルは最大480MbpsのUSB 2仕様、つまりLightningと同じままだった。

アップルはiPhone 16 ProモデルとA18 Proチップを紹介する際に、USB 3の高速なデータ転送を強調していた。しかし、これは昨年の仕様と同じであり、別に改善されていない。

iPhone 16標準モデルの仕様ページが公開されているが、やはりUSB 2のままだと確認できる。

iPhone 16 Proモデルは画像圧縮フォーマット「JPEG-XL」に対応

米MacRumorsは最新のiOS 18ベータ版から、iPhone 16 ProがJPEG-XLのファイル形式に対応したと報告している。

このフォーマットは従来のJPEGよりも約60%も圧縮率が向上し、低ビットレートでも高い画質を維持できる。正式発表に先立つこと数週間前にリーク情報があったが、的中したかたちである。

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