特に若くて健康なオスはボール好き

猫も犬のように飼い主とボール遊びがしたい?「4割以上がそう思っている」との研究結果

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犬は、飼い主が投げたボールに向かって一目散に走り、それを加えて戻ってきてはもう一度投げてもらうという遊びが大好きだ。一方、猫の場合はいつもマイペースな雰囲気を醸し出していて、飼い主がボールを投げても、それを取りに走るようなことはあまり想像できない。

しかし、パデュー大学の研究者が7万4000人近くの犬の飼い主と、8000人以上の猫の飼い主に対し実施した調査によると、飼い犬の77.8%はボールを追いかける遊びが大好きなのに対し、飼い猫の約4割もまた、犬と同じようにボールを追いかけて遊ぶことがわかったという。

この研究は2023年12月にNature誌に掲載された論文に続くものだ。当時の論文では、研究者らは、たとえしつけられていなくとも、(特に1歳未満の)飼い猫に、ボールを追いかける行動が良く現れることを発見した。そしてこの行動習性は、ご褒美や繰り返しによって教え込まれたものではなく、ネコのごく自然な生活の一部なのではないかと研究者らは考えた。

2015~2023年の間に収集されたデータからは、ほとんどの時間を室内で暮らしている家猫であるほどボール遊びをする傾向が強く、バーミーズやシャム、トンキニーズと言った品種の猫で特に一般的という特徴が見られた。だが、研究者らはなぜ犬のような行動が、これらの猫でよく見られるのかはわからないとしている。

なお、犬や猫のなかにはボールをあまり追いかけたがらないものもいるが、犬猫ともにその理由として、メスであること、老齢や健康に冠する問題があること、または他の犬などと同居していることなどが挙げられた。また、40.9%の猫が犬のように投げられたボールを取りに走り、戻ってくるという行動は、これまでの推定値を大きく上回るものだった。

研究者は「これらの個体群にボールを追う遊びが多く見られるのは、創始者効果、遺伝的浮動、あるいは世界のこの地域でボールを追う行動をとる傾向に対する、選択圧が高まった結果である可能性が考えられる」と指摘している。要するに、小さな集団での繁殖の結果、その集団の最初の個体にユニークだった遺伝的特徴がその集団全体の特徴として広まったのではないかということのようだ。

研究者は「犬と猫はその行動の多くの側面で、また愛玩動物としての成り立ちにおいてまったく異なるものであるとしつつ、その両方が同じようにボールを追いかけて遊ぶ性質を持っていることに魅力を感じている」と述べている。そして「猫と犬は行動の多くの面で大きく異なり、ペットとして飼われるようになった経緯も異なるが、多くの猫と犬がこのボールを取ってくるという行動を共有していることは興味深い。この研究が、猫と犬の両方の遊びや狩り、社会的交流にどう関係しているかについて、さらなる研究を促すことを期待している」と述べている。