1.1万円で買えるスタイリッシュなスマートウォッチ「CMF Watch Pro 2」レビュー

最近のスマートウォッチは、Apple Watchに代表されるように高機能化が進んでいるが、それに比例して価格も上昇。ハイエンドモデルでは10万円を超えるものあり、もはやスマートフォンと変わらない価格になってきている。比較的安価な製品もリリースされているが、その多くはデザインが画一的で、残念ながら個性を感じられない。

こうした中、優れたデザインをより身近なものにすることを目指すNothingのサブブランド「CMF by Nothing」が、第2世代のスマートウォッチ「CMF Watch Pro 2」を1万1000円の低価格で7月12日に発売した。

他とは一線を画す円形でデザインのスマートウォッチで、カラーバリエーションはダークグレー、アッシュグレー、ブルー、オレンジの4色展開。優れたデザイン性を目指すというだけあり、ストラップだけではなくベゼルを交換して異なった印象にすることができるなど、ユニークな特徴を持っている。デザインは良いとして機能面や使い勝手はどうなのか、実際に数日使った印象をレポートしたい。

ミニマルデザインがオシャレなスマートウォッチ

円形デザインのCMF Watch Pro 2は、アルミケースのカジュアルな印象と相まって、腕に装着してみるとスマートウォッチというよりも、よくあるファッションウォッチのような印象だ。かといって、決して安っぽい印象を与えていないのは、デザインの妙と言えるだろう。

ケース径は45mmで、スマートウォッチとしてはやや大型の部類だが、素材がアルミということもあり重さは感じない。シリコンベルトの装着感もよく、付け外しも楽だった。

もちろん、見た目だけではない。心拍数や血中酸素飽和度(SpO2)の測定、睡眠計測に対応。GPSを搭載しており、単独でランニングやウォーキングなどのコース記録も行える。スマートフォンからの各種通知も表示可能で、スマートウォッチとして必要十分な機能を備えている。

スマートウォッチの基本機能を抑えつつ、軽量で使いやすいのが嬉しい

ところで、読者の中にはスマートウォッチやスマートバンドなどをまだ使用してはおらず、これからスマートウォッチの購入を検討しているという人もいるだろう。そうした人にとって、スマートウォッチがあると何が便利なのかは、今一つピンとこないかもしれない。そこで、CMF Watch Pro 2の詳しいレビューの前に、スマートウォッチがあるとできることを簡単に確認しておこう。

スマートウォッチの機能としては、大まかに分けるとスマートフォンとの連携機能、ヘルスケア機能、フィットネス機能の3つが挙げられる。連携機能については言うまでもないだろう。スマートフォンに届いたメールやSNS、LINEなどを表示したり、着信に応答したりする機能だ。いちいちスマートフォンの画面を確認する必要がなく、カバンやポケットに入れたままでも腕で通知を確認できるのは、特に移動中などには便利だ。安価な製品ではマイクが非搭載で着信応答に使えないものもあるが、CMF Watch Pro 2はマイク搭載で通話も行える。

ヘルスケア機能は、心拍数や血中酸素飽和度、睡眠ログなどを可視化する機能だ。とくに睡眠ログを確認することで、「最近眠りが浅い」「睡眠時間が短い」などを数値的に自覚することができ、健康を意識した行動の切っ掛けとすることができる。

フィットネス機能は、歩数や消費カロリー、ランニングやウォーキングなどの記録を取ることができるというもの。歩数などはスマートフォンでも計測できるのだが、持ち歩いていないと計測はできない。その点、一日中身に着けていられるスマートウォッチならより正確な数値をカウントできる。大きかったり重かったりするスマートウォッチでは日常生活で邪魔に感じることもあるが、軽量なWatch Pro 2ならそういった問題も起きにくい。

着せ替えベゼルが大きな特徴。ウィジェット表示の使いやすさに感心

ここからは、「CMF Watch Pro 2」の詳細を確認しつつ、実際に使用してみた感想をお届けしよう。

NothingのサブブランドであるCMF by Nothingは、「最先端の技術によるユーザー体験を多くの人に届けること」を目的として、2023年9月に発足した。色(Color)、素材(Material)、仕上げ(Finish)にこだわりを持っており、時代を超えたデザインを実現するとしている。

そんなCMF by Nothingが手掛ける最新プロダクトである「CMF Watch Pro 2」は、1.32インチのAMOLEDディスプレイを搭載したスマートウォッチだ。最大輝度は620ニト(ピーク輝度)と抑え目ながら、自動輝度調整機能をサポートしており、屋外でもはっきりと視認できる。

▲ディスプレイは1.32インチのAMOLED。最大輝度は620ニトと控えめながら屋外での視認性に問題はない

そのディスプレイを囲うベゼルが取り外せるのもCMF Watch Pro 2の特徴だ。ダークグレーとアッシュグレーのシリコンストラップモデルにはフラットベゼル、オレンジとブルーの革製ストラップモデルにはカーブドベセルが付属している。別売りの「CMF Watch Pro 2 Bezel & Strap Set」には、革製ストラップ(オレンジ、ブルー)とカーブドベセルがセットになっているので、シリコンストラップモデルなら、このセットを購入することで、カーブドベゼルに交換できる。カーブドベゼルを装着するとカジュアル感が増すので、服装に合わせて付け替えるといった楽しみ方もできそうだ。

▲べセルを取り外し、交換できるのが大きな特徴。カーブドベセルは革製ストラップとセットで別売りされている

ウォッチフェイスも100種類以上用意されているので、好みのものがきっと見つかるはずだ。

▲本体にダウンロードしていないウォッチフェイスは、スマートフォンのアプリ側から設定できる

筆者はこれまで、様々なスマートウォッチを利用してきたが、CMF Watch Pro 2を使ってみて特に感心したのがウィジェット表示だ。

ハイエンドモデルを含め、ほとんどのスマートウォッチは、スワイプ操作で表示を切り替えることができる。しかし、一部の製品を除き、その表示は1画面に1機能が基本となっている。例えば、天気のみ、睡眠ログのみ、運動記録のみといった具合だ。

一方、CMF Watch Pro 2は、スワイプで表示する画面をカスタマイズできる。最大4画面設定でき、表示する内容も自由に組み合わせが可能だ。よく利用する機能だけを登録しておけば、少ない操作で利用することができる。

▲画面を左右にスワイプすることで、表示するウィジェットを切り替えられる
▲音楽コントロールや、ランニングへのショートカットなども表示できる

表示できる機能も、歩数や消費カロリー、心拍数、睡眠ログなどの健康関連機能に加え、タイマーやストップウォッチ、天気、ミュージックコントロールなど多岐にわたる。とはいえ、残念ながらCMF Watch Pro 2のすべての機能をウィジェットとして利用できるわけではない。この辺りは今後のアップデートに期待したいところだ。

▲ウィジェットはスマートフォンアプリから設定可能。すべての機能が用意されているわけではないが、よく使うものは揃っている

なお、歩数や睡眠ログ、運動記録などはCMF Watch Pro 2上で確認できるのはもちろんのこと、スマートフォン側の「CMF Watch」アプリでも詳細を確認できる。ランニングやウォーキングなどは、GPSで記録を取れば走った(歩いた)コースを地図で表示することも可能だ。

▲アプリでの表示もスマートウォッチ上のウイジェット表示と統一されている

スマートウォッチを使う上で気になるのがバッテリー持ちだが、CMF Watch Pro 2は通常モードで11日間、ヘビーユースで9日間持つということになっている。しかし筆者の場合、常時表示オン/トレーニング検出オン/血中酸素の24時間監視オン/GPSを使ったウォーキング1時間半/各種通知オンという状態で、丸3日間の使用でバッテリー残量20%の警告が表示された。

公称値と比べるとかなり短くはなるが、毎日の充電が欠かせないフル機能のスマートウォッチとしては十分に長い。これであれば、1泊2日程度の旅行や出張なら専用の充電ケーブルを持ち運ぶ必要もないだろう。

▲充電は専用のケーブルを使用。バッテリー持ちがいいので、1泊2日程度なら持ち歩く必要はないだろう

また、CMF Watch Pro 2はAndroidだけではなくiOSでも利用できる。iOS向けの専用アプリもリリースされているので、所有デバイスに関係なく利用可能だ。iOS 13以降、Android 8.0以降をサポートしている。

お手頃価格で機能性十分。見た目もオシャレで初スマートウォッチにもピッタリ

いまや、スマートウォッチは数千円のものから10万円を超えるものまで幅広くリリースされており、数多くの選択肢が用意されている。デザインや機能性も様々だ。そんな中にあって、CMF Watch Pro 2はスタイリッシュなデザインとベゼルを交換できるというユニークな構造、そしてスマートウォッチとして必要十分な機能を驚きの低コストで実現している。安価なスマートバンドを利用している人がステップアップするためのデバイスとして、あるいは初めてのスマートウォッチとしても、安心して手を伸ばせる製品だと言えるだろう。

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