リフレッシュして再び登場する?

ソニー、FPSゲーム『Concord』を発売後2週間でいったんサービス終了、払い戻しへ

Image:PlayStation(YouTube)

ソニー・インタラクティブ・エンタテインメント(SIE)は、PlayStation 5とPC向けに8月24日に発売したヒーローシューティングゲーム『Concord(コンコード)』のサービスを9月6日でいったん終了すると発表した。

オンライン対戦シューティングゲームは、プレイヤー数が多くなければせっかく対戦に参加しようとしても相手が見つからないという残念な結果になるが、このゲームは発売直後であるにもかかわらず、ピーク時の同時サーバー接続プレイヤー数が700人に満たなかったと伝えられている。

これを受けて、このゲームを開発したFirewalk Studiosのディレクターであるライアン・エリス氏はPlayStation Blogで「2024年9月6日よりゲームをオフラインにし、プレイヤーの皆様により効果的にアプローチできる方法も含め、選択肢を検討することにした」と述べ「このゲームの販売を即時停止し、最善の道筋を決定するまでの間、PlayStationまたはPCでこのゲームを購入した全ゲーマーに全額返金の手続きを行う」とした。

Firewalk Studiosは、昨年4月にSIEが買収、PlayStation Studiosの一員となっている。そのため、開発に8年もの期間をかけ、満を持しての発売となるこのゲームが人気を得るのは確実ではないかと思われたが、発売に先駆けて行われたベータテストでのプレイヤーの反応はいまひとつ渋く『Overwatch 2』や『Valorant』といった同じジャンルの人気タイトルに比べて独自の特徴に欠けるという評価が多かったようだ。

ちなみに、8年前と言えば『Overwatch』が絶大な人気を博していた時期だ。Overwatchはその後、一時は人気が下降線をたどったものの、2023年に『Overwatch 2』が無料アップグレードとしてリリースされ、ふたたび活況を呈している。

上に挙げた2つの競合タイトルは、基本プレイ無料とすることでまずプレイヤーを呼び込み、バトルパスや装飾要素などの有料アイテムで収益化していくシステムを採用している。これに対し、Concordは39.99ドル(日本では税込4480円)の有料タイトルとして発売されたことも、当初の参加プレイヤーの少なさの原因になったかもしれない。

なお、Concordは「プレイヤーたちにより効果的にアプローチできる方法」を検討するとしており、購入料金を返金するとしたことから、もしこのゲームが手直しされて復活した場合は、他のゲームと同様に基本プレイ無料タイトルになる可能性が高そうだ。

ヒーロー対戦シューティングゲームのジャンルは、前述のOverwatch 2やValorantが人気を継続する一方、新規参入で失敗し長続きせず終了するタイトルも相次いでいる。Amazon Studiosは2020年に同ジャンルのゲームとして『Crusible』をリリースしたが、わずか6か月でサービスを終了した。また『THE CYcle: FRONTIER』はプレイヤーの評価は良かったものの、不正ツールによってゲームを自分に有利になるよう改変するチートが当初から横行した結果、公正なプレイを提供できないとしてリリース後1年ほどでサービス終了に追い込まれた。

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