Xはいつも通りノーコメント
「Appleでサインイン」、複数のディープフェイク・ヌード作成サイトが利用し問題に
「Appleでサインイン」は、アプリやウェブサイトへの登録を迅速に行えて、かつプライバシーを重視した方法として、2019年にiOSやmacOS等に導入された。しかし、複数のディープフェイク・ヌード作成サイトに提供されていたことが明らかになった。
ディープフェイクとは、実在する人物を元にして、AIによりありもしない画像や音声、動画を生成することだ。政治家が怪しげな発言をしているように見せかけたり、誰かの偽のヌード画像を作ってその人物を辱めたり脅したりするなど、様々な不快な目的で使われることが社会問題ともなっている。
テック系の老舗メディアWiredは、主に偽のヌード作成を目的とした6つの大手ディープフェイクサイトが「Appleでサインイン」のオプションを提供していることを発見した。その他のサインインには、Google、Discord、Patreonのものもあった。
これらサインイン方法を提供していることは、あたかも大手企業がディープフェイクサイトを承認しているかのような印象を与えるとWiredは指摘している。人々は既存のアカウントを使って登録できるため、心理的なハードルも下がるだろう。
「Appleでサインイン」他のツールは提供側がサイトの内容を精査しているわけではなく、APIや一般的な認証方法を通じて展開されている。Googleのサインインは16のサイトに、Discordは13のサイトに、アップルは6つのサイトに表示されていたという。
この「Apple IDでサインイン」オプションを提供するには、アップルの開発者アカウントが必要となる。Wiredがアップルに警告したところ、同社は直ちに、この用途で使われていた全ての開発者アカウントを停止したとのことだ。
同じく問い合わせを受けたDiscordも、それぞれのサイトに関連付けられた開発者アカウントを削除したと伝えられている。Googleは、規約違反が確認された場合、開発者に対して措置を取ると回答し、Patreonは「露骨な画像を作成できるアカウントを禁止している」と述べている。
そんななか、X(旧Twitter)も同社のシステムが利用されていることにつきコメントを求められたが、回答はなかったとのこと。こちらは通常運転ではある。