製造プロセスも異なる?

次期iPhone搭載チップの「A18」「A18 Pro」、別設計のダイでGPUコア数も異なる噂

Image:Camilo Concha/Shutterstock

アップルは新製品発表イベント「It’s Glowtime」を9月10日午前2時(日本時間)に開催する。この場でお披露目される次期「iPhone 16」シリーズは、全モデルとも「A18」ブランドのチップを搭載すると予想されている。標準モデルが「A18」、Proモデルが「A18 Pro」という具合だ。

このA18およびA18 Proチップが別個のダイを搭載し、両方ともキャッシュサイズが縮小され、同じCPU構成だがGPUコアの数は異なるとの噂が報じられている。

これは著名リーカー定焦数码(Fixed Focus Digital)氏が、中国のSNS・Weiboで述べていることだ。キャッシュサイズを小さくするのは「スペースを節約する」ためとのことだ。同氏は最近「iPhone SE 4」についても情報を発信していた

以前の噂では、A18/A18 Proは改良型のNeural Engineを搭載し、それに伴いキャッシュサイズも大きくなると伝えられていた。Apple Intelligenceをスムーズに実行するためには前者は必須となるが、ダイサイズを大きくすると発熱や消費電力も増える傾向があり、トレードオフでキャッシュを削るのかもしれない。

またA18は「2+4+5」(高性能CPUコア×2/高効率CPUコア×4/GPUコア×5)、A18 Proは「2+4+6」構成とのこと。「標準モデルとProモデルのCPU構成が同じ、GPUコアは1つ違い」はiPhone 13シリーズでも前例があり、別に意外なことではない。

ただし、A18とA18 Proが別個のダイ=異なる製造ラインになることは奇妙な話である。アップルを含めてほとんどの企業はチップビニング、つまり製造されたチップをテストし、品質ごとに選別する。高品質なものは全てのGPUコアを活かし、そうでないものは一部を無効にする。

これはグラフィックカードでは一般的な手法であり、アップルもM1以降の自社開発チップに導入している。欠陥のあるチップでも使えるためコストダウン的にも有利なはずであり、ただGPUコア数が異なるだけで別設計のダイとするのは合理性を欠いているようにも思える。

今回のリーク情報の信ぴょう性は今のところ不明だが、A18とA18 Proでは製造プロセス技術が異なり、実はCPU性能でも差別化しているのかもしれない。

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