なぜそれをしようと思ったのか

【動画】バイク引きずられ速度チャレンジ、カワサキとJD Stuntsが時速256kmでギネス新記録

Image:JD Stunts(YouTube)

英国のバイクスタントの達人JD Stuntsことジョニー・デイビス氏は、自身3つめとなるバイクスタントのギネス世界記録を樹立した。このスタントはバイクで走行中に、そのバイクの後ろに降り、地面に足をつけ、テール部にしがみついた状態での最高速度を目指すというものだ。あくまでスタントとして考えれば、アクション映画などでたまに出てきそうなシチュエーションではある。そして、デイビス氏はこのスタントにおいて時速256.725kmという途轍もない速度を記録した。

一体どうすれば、北陸新幹線や九州新幹線の最高速と同等のスピードでバイクの後ろにしがみついていられるのかだが、デイビス氏はこのチャレンジのためにカワサキからフラッグシップモデルである「Ninja H2 SX」の提供を受けた。メーカーの手厚いサポートのもと、これにハンドルダンパーと親指での操作を可能にする特殊なスロットルを取り付け、無人でも安定して高速直進走行ができるように仕立て上げた。もちろん、転倒した際にバイクを保護するためのクラッシュプロテクターも装備されている。

また、デイビス氏本人は、Ninjaのテールに取り付けたグラブバーを両手で掴んだ状態で地面に足をつけて引きずられるために、レーシングブーツの足裏に、特別にあつらえたチタン底を装着した。

そうして迎えたチャレンジ本番、デイビス氏はイギリス・ヨークシャーのエルヴィントン飛行場の滑走路でNinja H2 SXの998ccスーパーチャージドエンジンに火を入れ、親指スロットルで加速。速度を維持したまま、身体をバイクの後ろにそって移動させ、テールにしがみつく格好で地に足を下ろした。そしてそこからさらに加速。あまりの速度にチタン製の靴底は火花を散らし、チャレンジの模様を中継したBBCは火花の上にデイビス氏が浮き上がって見えたと表現した。

最初のアテンプトでは時速248.928kmで、これは1999年に英国のゲイリー・ロセウェル氏が達成した時速251.54kmに及ばなかった。だが、2度目の試技では、バイクにさらに鞭を入れた。その結果、Ninjaは滑走路上を時速256.725kmでデイビス氏を引き回し、見事最高速度を記録することに成功した。

冒頭にも述べたが、この新記録はデイビス氏にとって3つめのギネス世界記録となる。彼はほかに、バイクのガソリンタンク上に腰をかけ、足をハンドルバーに引っかけた状態でのウィリー走行の最高速度記録(時速175km)、そしてスタントドライバーのポール・スウィフト氏とチームを組み、ウィリー状態を維持するバイクの周囲で自動車が1分間にドーナツターンする回数の記録(10回)という2つの記録を保持している。いずれも常識人では発想すらできないようなチャレンジだが、なんでも極めれば偉大な記録になるものだ。デイビス氏の次回の挑戦が、今から楽しみだ。

Image:JD Stunts

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