提携企業のコンテンツがAIのトレーニングや回答に使えるようになります

OpenAI、『Vogue』『GQ』『Wired』の出版社コンデナストと提携

Image:Chrispictures / Shutterstock.com

OpenAIは、著名ファッション誌『Vogue』『GQ』や、文化・テクノロジー系メディア『Wired』、総合誌『The New Yorker』などを発行するCondé Nast(コンデナスト)とコンテンツ使用契約を結んだと発表した。これにより、ChatGPTSearchGPTは、上記3メディアを含むコンデナストのコンテンツを使用したAI生成が可能になる。

近年、著作権保護されたウェブサイトのコンテンツをAIのトレーニングに不正に使用しているとして、懸念を示すメディア企業が増加しており、一部では訴訟にも発展している。コンデナストも先月、AI生成検索エンジン開発のスタートアップ企業であるPerplexityに対し、同社のコンテンツを無断使用しており、著作権を侵害しているとして停止命令書を送付していた。

コンデナストのロジャー・リンチCEOは社内向けメッセージにおいて「この10年というもの、ニュースとデジタルメディアは厳しい課題に直面してきた。多くのテクノロジー企業が、特に最近では従来の検索において、コンテンツパブリッシャーの収益化能力を蝕んできたからだ」と述べている。

そして「OpenAIとの提携により、その収益の一部を補うことが可能となり、ジャーナリズムとクリエイティブな取り組みを維持し、投資し続けることができる」とした。この契約において、OpenAIがコンデナストにいくら支払うのかは明らかにされていない。

今回の提携により、コンデナストはOpenAIと提携した出版社の最新のひとつなった。これまでにOpenAIはNews Corp、Vox、The Atlantic、TIME、Axel Springerなどと契約を結んできた。

しかし、OpenAIに反発する企業もある。たとえばNew York Timesは昨年、ChatGPTのトレーニングデータのなかのジャーナリスティックなコンテンツに関して知的財産権の侵害を主張し、「同社が独自に価値を有する著作物の違法なコピーと使用」について、OpenAIとその技術を使用しているマイクロソフトに対し「数十億ドルの法定および実際の損害賠償」を求めて提訴している。ほかにも、Chicago Tribune、New York Daily NewsなどがOpenAIに対して訴訟を起こしている。

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