人気メーカーの最新モデルを実際に使ってレビュー

いま注目のロボット掃除機2モデル!Roborock「Q8 Max+」と「S8 Max Ultra」はどんなユーザーに最適?

安蔵靖志

2024年8月に発売した「Q8 Max+」(写真左)と「S8 Max Ultra」(写真右)

世界で人気のロボット掃除機メーカー、Roborock(ロボロック)からオンライン限定モデルとして、新たなロボット掃除機2機種「Q8 Max+」と「S8 Max Ultra」が登場した。

Q8 Max+は、吸引掃除と水拭き掃除を同時に行えて自動ゴミ収集ドックや障害物回避※1性能を備えるミドルレンジモデル。そしてS8 Max Ultraは、吸引掃除と水拭き掃除を同時に行うだけでなく、吸引したゴミの収集、水拭きモップクロスの温水洗浄から、乾燥、洗剤の自動投入まで全自動で行うプレミアムモデルだ。

Q8 Max+とS8 Max Ultra、どんなユーザーに最適?

まず、2機種はそれぞれどのような方におすすめなのか、簡単に解説していこう。実際に使ってみた詳細については、後ほど詳しく紹介する。

必要十分なミドルモデル Q8 Max+

普段の掃除機がけの手間を全部省いてお任せしたいが、水拭きはそれほど頻繁に行わないという方に向くのがQ8 Max+。これまでのフラグシップモデルとほぼ同等の5500Pa(パスカル)という高い吸引力と2つのラバー製メインブラシで、小さな障害物を認識・回避※1しながらパワフルに掃除し、清掃後にはダストボックスのゴミを自動的に収集してくれる。

「Q8 Max+」¥OPEN(希望小売価格:税込14万2,780円)

そのため、普段の掃除機がけを完全にお任せできる。モップクロスを取り付けることで水拭き掃除も可能なので、汚れが気になる時に水拭き掃除もしてほしいという方にぴったりだ。

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メンテナンス不要のプレミアムモデル、S8 Max Ultra

毎日のように吸引から水拭き掃除を行って、お手入れまで全自動で済ませてほしいという方には、S8 Max Ultraが向いている。8000Paというかなり強力な吸引力を実現しているだけでなく、高加重モップを最大毎分4000回振動させながらパワフルに清掃。カーペットやラグの上ではモップを20mmリフトアップして濡らさない※2ようにするなど、細かい配慮もなされている。

「S8 Max Ultra」¥OPEN(希望小売価格:税込28万5,780円)

またS8 Max Ultraは、ダストボックスのゴミを収集するだけでなく、モップへの給水から温水洗浄、乾燥、洗剤の自動投入まで全自動で行ってくれるのが魅力。お出かけ中に掃除をしておけば、床全体がピカピカの状態で帰宅できる。

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パワフル吸引&たっぷり水量の水拭きも満足のQ8 Max+

では、実際に使ってみることにしよう。Q8 Max+は右側面に配置したサイドブラシでかき込んだ床上のゴミやホコリを、中央の吸引口から最大5500Paの吸引力でパワフルに吸引する。吸引口にはラバー製デュアルメインブラシを搭載しており、ラグやカーペットの奥に潜んだゴミやホコリをかき出して吸引するだけでなく、髪の毛やペットの毛などがからまりにくいようになっている。

ミドルレンジモデルのQ8 Max+
吸引口にはラバー製デュアルメインブラシを搭載。毛の付いたブラシと違って毛がからまりにくいのが魅力

どちらのモデルも最初に「Roborock」アプリでマッピングを行い、部屋の名前や床の種類などを設定することで、指定した部屋やエリアだけを掃除したりできるようになる。マップは最大4枚まで保存でき、それぞれに進入禁止エリアや部屋別の掃除モードなどを設定可能。マッピングは本体を別のフロアに持っていくだけで行えるので、2階建てや3階建ての一戸建て住宅でも安心して使える。

1階と2階のマップを作成したところ。本体だけ持ち運ぶことで最大4枚までマップを作成できる

マップが完成したら早速掃除を開始してみよう。

床の上に紙ゴミやコーヒー粉、髪の毛(ウィッグ)をたっぷりとまいてみた
1回走行するだけで壁際も含めてしっかりとゴミを取り切っている

ロボット掃除機を使うためには床の上を整理整頓しなければならないと思われがち。だが、Q8 Max+はミドルレンジのモデルとして初めて、障害物を認識して回避※1する機能を搭載した。

この機能は、赤外線カメラによって幅5cm×高さ3.5cm以上の物体を認識すると、衝突しないように回避するというもの。赤外線カメラを使用するため、暗闇でも認識・回避が可能だ。

幅5cm、高さ3.5cm以上の物体を認識すると、ぐるっと周りを1周する形で衝突を回避する

さらに、壁や家具に本体が衝突するのを減らす「衝突減少モード」も搭載する。どちらも機能をオン・オフできるので、使い勝手を試してみてどちらかを選ぶといいだろう。

本体下部に付属のモップクロスを取り付けると、吸引掃除と水拭き掃除を同時に行うことができる。約350mlの大容量水タンクを搭載しており、最大275平方メートル※3の広さの水拭き掃除ができる。

付属のモップクロスを装着すると吸引掃除と水拭き掃除を同時に行えるようになる
水タンクはダストボックスに備えており、本体から取り外して給水する

Roborockアプリを使うと、吸引掃除の吸引力と水拭き掃除の水量もカスタマイズできる。吸引力は「サイレント」から「バランス」「ターボ」「最大」に加えて、さらにパワフルな「MAX+」を選べる。水量は「少なめ」「普通」「多め」のほか、30段階で細かく設定することが可能。

Roborockアプリの吸引力とモップ水量の設定画面

個人的には最大水量で掃除すると床がしっとりと濡れているのを確認できるので、視覚的にも満足度が高くて心地よく感じた。とはいえ、びしょびしょになるほどではなく、少し経つと乾いていく。水量は自宅の床の広さや床材の種類、好みに合わせてカスタマイズするといいと思う。

ベッドルームに続いてリビングルームも掃除してみた
最大水量で水拭きすると、フローリングが濡れているのを実感する

掃除が終了すると、自動ゴミ収集ドックに戻ってダストボックスの中にあるゴミを自動収集してくれる。ドック内には約2.5Lの紙パックが入っており、目安としては約60日分※4のゴミをためておける。

Q8 Max+の自動ゴミ収集ドック

日々のメンテナンスは、ドック内の紙パックがいっぱいになったら捨てて、新しい紙パックに交換する程度だ。水拭き掃除を行う場合は、モップクロスの洗浄と乾燥、ダストボックス内にある水タンクの水の補充が必要となる。

上部のカバーを取り外すことで紙パックを交換できるようになっている

本機は、次にご紹介するS8 Max Ultraのように、すべてが全自動というわけではないが、「吸引掃除が中心で、水拭きもたまにしたい」という方にはぴったりの製品ではないだろうか。

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ほとんど手間いらず!回転モップで壁際の汚れをキレイにするS8 Max Ultra

続いてはS8 Max Ultraを使ってみることにしよう。

準フラッグシップモデルのS8 Max Ultra

掃除をスタートして感じるのが、壁際の清掃性能の高さ。サイドブラシでゴミやホコリをかき込んで中央の吸引口から吸引するのはQ8 Max+と同様だが、S8 Max Ultraは壁の隅を見付けると自動的にサイドブラシが伸びる※5機構を搭載しており、隅にたまりがちなゴミをかき込んでくれるのだ。

第三者認証機関のテュフ ラインランドから四隅のカバー率100%の認証も得ており、「四角い部屋を丸く掃く」ことなくしっかり掃除してくれる。部屋の隅のゴミはスティック掃除機でもなかなか取りづらいので、サイドブラシでしっかりかき出してくれるのはありがたい。

S8 Max Ultraの本体下部
サイドブラシが伸びる新機構を搭載した
サイドブラシが伸びることで、部屋の四隅にあるゴミをしっかりとかき出してくれる

S8 Max Ultraは、Q8 Max+の最大5500Paを大きく上回る最大8000Paの吸引力を実現。2本のラバー製デュアルメインブラシがフローリング上やカーペットの中に潜むゴミをかき出してパワフルに吸引する。

Q8 Max+と異なるのが、メインブラシカバーの内部に取り付けられたカッターだ。元々ラバー製なので毛ブラシより毛がからまりにくいが、ブラシの根元に備えるカッターが毛をカットすることで、さらに毛がらみがしにくくなっている。

メインブラシカバーの内部に取り付けられたカッターが、ブラシの軸にからまりそうになる毛をカットしてくれる

実際に使ってみることにしよう。

部屋の隅のゴミをしっかりとかき取る
こちらもたっぷりと疑似ゴミをまいてみたが、1回走行しただけできれいに吸引した

どちらのテストでも、日常生活では考えられないほど多くのゴミをまいてみたが、どちらも全く不満のない結果になった。ダストボックスから自動ゴミ収集ドックにゴミを吸引するため、ダストボックスが詰まってゴミが取りきれないといったトラブルもなく、安心して毎日のように使えると感じた。

水拭き掃除も吸引掃除と同様に、従来モデルから大幅に進化した。その一つが、最大毎分4000回で高速振動する2箇所の振動部と高加重で床をしっかりと拭くモップクロス、そして最大毎分185回転※6で壁際を1.68mmまで水拭きする回転式モップだ。

本体右サイドに回転式モップを搭載。水拭き掃除時は常にモップを回転させながら水拭きを行う

本体内に大容量水タンクを内蔵するQ8 Max+に比べて、水量と強度を最大にしてもモップの濡れ具合は少ないように感じたが、水拭きした直後は床がしっとりと濡れており、爽快感のある仕上がりになった。

水拭きを行うと床がしっとりと濡れるものの、ほどなく乾くのが気持ちいい

5way全自動ドックは自動的にゴミを収集するだけでなく、最高60℃の温水で細菌を99.99%※7除菌しながら自動でモップを洗浄する機能、最大4時間まで熱風でモップを自動で乾かす機能、水拭きやモップ洗浄に必要な水を自動的に給水する機能などを備えている。

また、新たに580mlの大容量洗剤タンクを搭載。専用洗剤を入れておくことで、自動的に必要量を投入してよりきれいに水拭き掃除を行ってくれる。

5way全自動ドックの上部に清水タンク(写真左)と汚水タンク(写真右)を備えている
5way全自動ドックの中央部分に紙パックと大容量洗剤タンクを配置している

掃除や洗浄が終了した後の汚水タンクにはかなり汚れた水がたまるが、これが “仕事をやり遂げた感” を感じさせてくれて頼もしい。

自動洗浄・乾燥機能は、壁キワ用モップクロスにも対応するのも注目ポイント。モップクロスの自動洗浄はドック内で行われるため全く見えないが、こちらはモップが回転しながら洗浄されるのが見ていて楽しい。

壁キワ用モップクロスを回転させながら洗浄しているところ

そのほか、Q8 Max+と同様に障害物を認識して回避※1する機能も搭載している。

床の上にある障害物を認識すると、衝突せずに回避※1する

S8 Max Ultraの場合、ペットを認識してより慎重に回避する機能も備えている。清掃効率と掃除の対象範囲が若干低下するとのことだが、ペットを飼っている家庭では一度使ってみるのをおすすめする。

また、「設定」画面の「床掃除の設定」から「ペット用品の強力掃除」というモードも選べる。マップにペット用トイレやケージなどのペット用品を設置すると、その周りを徹底的に掃除してくれるというもの。トイレの周りに猫砂が散らばりやすいなど、いつも感じているお悩みがある場合は設定してみるとよいだろう。

S8 Max UltraはReactive障害物回避機能の設定で「ペット」も選べる。マップ編集画面にペット用品を設置すると、ペット用品の強力掃除モードが選べるようになる

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どちらのモデルも高水準、用途に合わせて選ぼう

Q8 Max+は必要十分な機能をしっかり搭載、S8 Max Ultraはパワフルで隅まで対応する掃除力とメンテナンスの楽さが魅力的

Q8 Max+とS8 Max Ultraの2機種を使ってみたが、Q8 Max+は必要十分な機能をしっかり備えている点と、たっぷり水量の水拭き機能が大満足という印象だった。

水拭き掃除の前後には、水タンクへの給水やモップクロスの着脱・洗浄が必要になるものの、数日に1回程度水拭きができればいいという家庭には文句なしだと思う。S8 Max Ultraに比べて若干コンパクトなのも魅力の一つだ。

S8 Max Ultraは文句の付けどころがないほどパワフルで隅まで掃除をしてくれるところと、なんといっても日々のメンテナンスがほぼ不要というのが魅力的だ。

水タンクへの給水と汚水タンクの排水、2か月に1回程度※4の紙パックの交換、使う場合は洗剤を3か月に一度※4投入するくらい。ペットを飼っている家庭ではさらに安心して使える機能もあるので、共働きなどでメンテナンスフリーのロボット掃除機が欲しいという家庭にぴったりだと感じた。

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(提供:Roborock)

※1 物体の認識や回避の精度は環境などによって異なる場合があります。100%の回避を保証するものではありません。S8 Max Ultraは幅5cm×高さ3cm以上、Q8 Max+は幅5cm×高さ3.5cm以上の物体を回避します
※2 カーペットの毛足が、モップの持ち上がる高さより長い場合は、アプリでカーペット回避モードを選択してください
※3 水拭きを「ソフト」または「最小」で実行し、部屋の20%が家具など水拭きできないエリアとして想定。部屋の環境などによって異なる可能性があります。Roborock調べ
※4 部屋の環境などにより、日数は変わります
※5 サイドブラシの伸縮は環境などによって異なります
※6 水拭き強度と水量で「最強」を選択した場合。Roborock調べ
※7 60℃の温水で洗剤を使用して洗浄した場合の除菌率

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