率直に謝罪し、笑顔でトロフィーを受け取った

クラウドストライクが「最も大失敗したで賞」を受賞。DEF CON壇上で社長がスピーチ

Image:Dominic White(X)

先週土曜日、ラスベガスで開催されたハッカー・コンベンションのDEF CONの場で、情報セキュリティ分野における優秀な成果と、最大の失敗事例の両方を表彰するポニー賞の授賞式が開催された。

17年目を迎えた今回のポニー賞は、不名誉なほうの「Most Epic Fail賞」(日本語にするなら「最も大失敗したで賞」?)を、クラウドストライクに贈ることを発表した。授賞式の壇上にはクラウドストライク社長のマイケル・セントナス氏が登場し、トロフィーを受け取った。

クラウドストライクが今年のMost Epic Fail賞に選ばれるのは疑いの余地もないことだった。この企業が7月に配布したソフトウェアアップデートには重大な欠陥が含まれており、そのせいで850万台以上の主に業務用のWindowsコンピューターがBSODを発生させてダウン、世界中の企業やサービスが突然停止させられて大混乱が巻き起こった。

クラウドストライクの問題に影響を受けた企業としては航空会社、銀行、郵便配達員、スーパーマーケット、通信会社などさまざま。なかでもデルタ航空は約7000便が欠航するほどの被害を被り、2024年7~9月期決算では直接的な影響が3億8000万ドルに及ぶと予想されている。デルタ航空はクラウドストライクとマイクロソフトに少なくとも5億ドル(約740億円)を請求する方針だと伝えられている。

「どの面下げて~」と批判するのは簡単だが、まったくもって不名誉な賞にもかかわらず、それを受け取るためにわざわざ壇上に上がり、世界を大混乱に陥れたことに通手率直の謝罪、「ひどい間違いを犯したときにはそれを認めることが非常に重要だ」とし、さらに「我々の目標は人々を守ることだ」「このようなことは起きてはならないということは皆さんに理解していただきたい」と述べた。

スピーチを行ったセントナス社長に対して、X(Twitter)では好意的なコメントが目立っている。

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