巻き込まれた人がいないのが不幸中の幸いかも

テスラCybertruck初の死亡事故が発生。道路逸れてコンクリート壁に衝突し炎上

Image:KHOU 11

昨年12月から納車を開始したテスラの電気ピックアップトラック「Cybertruck」は、最新の情報ではすでに米国の路上で1万5000~2万台が走っているとされる。走行数が増えれば交通事故に遭う機会も増えるのは致し方ないところで、7月にはミシシッピ州でCybertruckが横転する大きな事故を起こしたことも報じられていた。

そして8月5日、ついにCybertruckが起こした事故で初の死者が出てしまった。米国時間8月4日にテキサス州チェンバーズ郡の道路を走行していたCybertruckは、何らかの理由によりコントロールを失って道路から逸れ、並行して敷設されている暗渠のコンクリート壁に衝突、炎上した。消防によって火災は消し止められたものの、すでに車体は原型をとどめないほど損傷しており、運転していたとみられる人物は死亡した。

なお、事故後の現場を検証している警察の写真や映像には、Cybertruckがへこみ、ウィンドウやルーフが失われ、車両からとみられる大きな破片が道路脇に散乱している様子が映っている。

地元テレビKHOU 11の報道では、この事故はCybertruckが関与した初の死亡事故である可能性があるとのことだ。

テスラの事故と言えば、気になるのは自動運転を想起するオプションのADAS機能であるAutopilotやFSDを使用していたのかが気になるところだが、CybertruckにはまだAutopilot/FSDオプションは提供されていない。

事故後、地元テレビは過去にもテスラ車の事故を調査してきた米国家運輸安全委員会(NTSB)にコメントを求めたが、まだ今回の事故については調査を要請されていないと回答した。一方、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は「事故と火災を認識しており、メーカーから追加情報を収集中」だと述べた。

このような事故が起こってしまうと、Cybertruckの特徴的な構造の安全性についても気になる人は多いかもしれない。テスラは独自に安全性能評価を行っており、試験結果が良好だから製品を発売したと考えるのが適当なはずだが、Cybertruckはまだ第三者機関による安全性の評価を受けたことがなく、またいつそのような試験が行われるのかもわかっていない。

Cybertruckは納車開始以来、ワイパー、荷台トリム、ペダルカバーなどについて安全性の懸念を引き起こす欠陥が発見され、それぞれリコールを実施してきた。そして今週にはNHTSAが、Cybertruckのタッチディスプレイが異常な過熱状態になり、触れるとやけどする可能性があるとして新たにリコールをするよう勧告している。

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