Xに流れてくる情報、どれぐらい信用できますか

マスク氏、Xで自らポリシー違反。ハリス氏のディープフェイク動画に注釈付けず

Image:Lea Rae/Shutterstock.com

イーロン・マスク氏は、X(Twitter)でカマラ・ハリス氏の映像を改変したディープフェイク動画を共有したが、これに本来付与するべき注釈を付けなかった。これに対して、Xのポリシーに明確に違反していることの指摘があがっている。

問題の動画は、大統領選挙に関するハリス氏の発言を改変したもの。もとは別のXユーザーが投稿し、そこには「カマラ・ハリス選挙広告のパロディ」と、Xのポリシーに違反しないよう注意書きが添えてあった。しかし、マスク氏はその動画を共有した際に、その注釈を付けず「これはすごい」と自身のコメントだけを示している。

これは、Xの「合成または操作されたメディアに関するポリシー」に記されている「利用者を欺いたり、混乱させたりして、損害をもたらす可能性のある、合成または操作されたメディアや、文脈から切り離されたメディア」の共有禁止という点に違反している。New York Timesなどのメディアや一部のXユーザーは、「Xでは誤解を招くメディアが含まれるツイートにラベル付けを行い、利用者がツイートの信憑性や文脈を把握するのを支援する場合がある」にもかかわらず、Xがマスク氏の投稿に何も対処していないことを指摘した。

Xのポリシーでは、改変されたメディアの表示を許可するケースも規定されている。これには風刺などが含まれるが、「その信憑性について重大な混乱を引き起こさない限り」という前置きがされている。

また、Xユーザーが「協力者」として誤情報をただす注釈を付け加えるコミュニティノートも、この投稿には表示されていない。New York Timesによれば、土曜日夜までに少なくとも7人がこの投稿について注意を促す記述の表示を提案したが、この記事を執筆している時点でもマスク氏の投稿にはコミュニティノートが表示されるようにはなっていない。

ちなみにXは今年、約20のテクノロジー企業とともに、米国大統領選挙での「AIの欺瞞的利用」に対処するため協力することを約束する協定に署名している。

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