強化版SiriやChatGPT統合は2025年春の見通し

Apple Intelligence、10月のiOS 18.1まで延期? 「iPhone 16」発売に間に合わない可能性

Image:Below the Sky/Shutterstock

全世界が生成AIブームに沸いているなか、アップルが独自開発の「Apple Intelligence」を次期iOS 18に当初から搭載するかどうかに注目が集まっている。が、一般公開向けは10月のiOS 18.1まで延期されると著名ジャーナリストが主張している。

アップル内部に情報源を持つBloombergのMark Gurman記者によると、iOS 18.1とiPadOS 18.1の開発者向けベータ版は、早ければ今週にもリリースする予定だという。

おそらくiOS/iPadOS 18.1初期ベータでは、Image Play Ground(文章に適した画像の自動生成)やGenmoji(オリジナル絵文字の作成)等に限られることだろう。強化したSiriやChatGPTへのアクセス統合などは、2025年春までずれ込む可能性が高い。今月初め、Gurman氏は新生Siriは1月に開発者向けベータテストが始まり、iOS 18.4の一部になると述べていた

今回の報道が正しければ、次期「iPhone 16」シリーズの発売が予想される9月には間に合わないことになる。Apple Intelligenceは、当初は米国の英語ユーザーのみに提供されるため、新型iPhoneの売上増には繋がらないと著名アナリストMing-Chi Kuo氏は報告していた

Gurman氏によれば、アップルはiOS/iPadOS 18.0の開発を7月末までに完了することを目指しているという。Apple Intelligenceは18.1に先送りすることで、バグを修正するための時間を稼ぐとの狙いを伝えている。

数週間前にiOS 18パブリックベータ版の配布が始まったばかりであり、初期版を一般公開する前に次期バージョンの開発者向けベータをリリースするのは少し異例のことだ。

が、一応の前例はある。iPadOS 16の最終バージョンを公開する前に、マルチタスク機能「ステージマネージャー」を備えたiPadOS 16.1ベータ1をリリースしていた。アップルが革新的な機能を追加するさいは、慎重に慎重を重ねる傾向があるようだ。

しかし、現行のiPhone 15シリーズは売上が伸び悩んでいる兆候はいくつも確認されており、2024年第2四半期には中国スマートフォン市場でのシェアが6位に転落したとの報告もあった。その要因の1つとして生成AIでの出遅れも挙げられていたことから、アップルも悠長に構えている余裕はないのかもしれない。

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