巻き返しのため折りたたみiPhoneを早期投入?

アップル、中国スマホ市場シェアが6位に後退。Vivoやファーウェイとの競争激化で大苦戦

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アップルが中国のスマートフォン市場で苦戦している状況が窺われていたが、2024年第2四半期には現地でのシェアが6位に転落したとのレポートを調査会社Canalysが発表した。

中国はアップルにとって最大の市場の1つであり、売上を伸ばすためiPhoneのプロモーションや割引きを提供し続けてきた。だが効果はなく、市場シェアは前年同期の16%から14%に後退したとという。トップがVivoであり、以下OPPO、Honor、ファーウェイ、Xiaomiに続くかっこうだ。

アップルの中国市場でのiPhone出荷台数は、前年比で少なくとも6.7%減少している。その理由はいくつか考えられるが、1つには現地でのスマホ競争が徐々に激化していること。そしてデザインに革新性が欠けていることも落ち込みの一因となった可能性がある。

中国企業としては、米国の制裁により失速していたファーウェイの復活が目覚ましく、市場シェアも前年同期の12%から15%へと飛躍。昨年発売したMate 60 Proには、中国の技術では難しいと思われた7nmチップが搭載され、発売直後のiPhone 15シリーズを凌ぐ売れ行きを見せていた

現地のスマホ市場は一時の落ち込みから活況へと転じており、第2四半期の総出荷台数は昨年比で10%増加し、推計7000万台が出荷された。首位のVivoは1310万台、Oppoは1130万台、3位はHonorで1070万台、4位はファーウェイで1060万台、続くXiaomiは1000万台だ。いずれも(Oppoを除き)伸びており、5位のランクインさえ逃したアップルは一人負けの感がある。

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アップルにとって起死回生の一手とみられていたのが、iOS 18で搭載される独自AI「Apple Intelligence」だ。しかし、正式リリース当初は米国の英語版しか利用できず、他の地域での売上増は限定的との見方もある。また中国ではChatGPTなど欧米のAIサービスは提供できず、現地のAI企業と提携する必要があるが、いまだに進展はないとの報道もあった。

ファーウェイはMate 60 Proが大ヒットした後も、縦折りスマホ「Pocket 2」や「Nova 12シリーズ」、最新チップ「Kirin 9010」を搭載したPura 70シリーズを投入して攻勢を緩めていない。アップルも中国市場で巻き返しを図るために縦折りiPhoneを前倒しに発売するとの予想もあるが、残された時間はそう多くないかもしれない。

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