イーロンは「最強のAI」を育成する気満々

X(Twitter)、「Grok AI」データ収集の無効化オプションを追加。モバイル版では不可

Image:JRdes/Shutterstock.com

X(旧Twitter)は、同社のAI検索アシスタント「Grok」の訓練にユーザーの会話データを利用している。このデータ利用をオプトアウト(自分の情報を提供することを拒否する)できるオプションを追加した。今のところ、モバイルアプリ版では提供していない。

先週末にX公式アカウントは、ユーザーが自分の公開投稿がGrokの訓練に使われるかどうかを制御できる、新たなオプションを追加したと発表した。実際、ウェブ版にはXがGrokでのやり取りやインプット、結果だけではなく、投稿も「トレーニングと調整の目的」で使われることを説明する「データ共有」の項目が登場している。

さらにX公式は、ユーザーデータ活用によりGrokが次のように強化されると謳っている

  • 正確で関連性のある魅力的な回答を提供する能力を向上させる。
  • 人間の言語とコミュニケーションに対する理解を深める
  • ユーモアとウィットのセンスを伸ばして、インタラクションをより楽しくする
  • 政治的に偏見を持たず、バランスの取れた答えを提供するようにする

もっとも、Grokを利用できるのは有料のPremiumユーザーのみである。

先週初め、Xのオーナーであるイーロン・マスク氏は、「世界で最も強力なAIトレーニング・クラスター」を使ってGrokのトレーニングを始めたと述べていた。さらに「(2024年)12月までに、あらゆる指標で世界最強のAIを育成する」とも付け加えており、あらゆるユーザーの投稿を活用してAIを鍛えようとしていることは明らかなようだ。

ユーザーデータを使ってAIを訓練しようとしているのは、Xだけではない。Metaは先月、FacebookとInstagramの公開コンテンツを使ってAIを訓練する今後の方針につき、EUおよび英国のユーザーに通知した。だが、規制当局からの圧力に屈して、計画を一時棚上げしている

なぜXが今になって新たなオプションを追加したのかは不明だが、やはり規制当局から何らかの指導や介入があったのかもしれない。

現在、Grokのデータ利用をオプトアウトできるのはウェブ版のみだ。そのやり方は、次の通りである。

  • ウェブ版Xで「設定とプライバシー」ページを開く
  • 「プライバシーと安全」を選択する。
  • 「データ共有とカスタマイズ」で「Grok」を選択する。
  • 「ポストに加えて、Grokでのやり取り、インプット、結果をトレーニングと調整に利用することを許可する」オプションをオフにする

X公式によると、本オプションは「まもなくモバイルでも展開される予定」とのことだ。

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