プレイヤーを突き放していくスタイルに異変

『Apex Legends』、酷評受けバトルパスのリアル通貨購入限定化を一部撤回

Image:EA / Respawn

EA / Respawnは2週間前、FPSバトルロイヤルゲーム『Apex Legends』シーズン22のバトルパス購入方法の変更を一部撤回することを明らかにした。Apex Legendsは、他の多くの無料オンラインゲームと同様にゲームをシーズンで区切り、その日程のなかで一定の課題をクリアすることで、様々なコスメティック・アイテムを入手できるバトルパスを提供している。

このゲームでは従来から、バトルパスの報酬の一部として次のシーズンのバトルパスが購入できるだけのゲーム内通貨が入手できる仕組みになっており、それがユーザーにとってはシーズンが変わるごとにこのゲームをプレイするためのモチベーションのひとつになっていた。

しかし、2週間前にEA / Respawnが発表した、新しいバトルパス仕様では、その入手方法をゲーム内通貨ではなく、現実世界の通貨、つまりドルや円でなければ購入できないようにすることが明らかにされた。

さらに、シーズンごとに1つだったバトルパスをシーズン前半と後半の2本立てにすることも合わせて発表され、ユーザーはこれまでバトルパスをすべてクリアすることで次のシーズンのバトルパスを実質無料で入手できていたところを、次シーズンからは1バトルパスあたり1255円を2回支払わなければならなくなった。

Image:EA / Respawn

当然ながらユーザーから大きな反発が起きた。PCゲーム販売プラットフォームのSteamでは、プレイヤーによるゲームへの評価が引き下げられ、ゲームの同時接続数(ゲームをプレイしている人の数)もさらに減少に拍車がかかった。多くのプレイヤーは、EA / Respawnがこのゲームにおける不正ツール使用者(チーター)の蔓延にほとんど手を打たない一方で、ゲームからの集金面ばかりに力を入れていることに不満を述べた。

そうした声が届いたのか、7月25日、EA / Respawnはバトルパスの購入をリアル通貨のみのとすることに関し、その一部を撤回することを発表した。これは2種類ある有料バトルパスのうち安価な方の「プレミアム」層に関するもので、シーズン22からは1バトルパス当たり1255円としていたところを、以前と同じゲーム内通貨950Apexコインで入手できるように戻したということだ。「プレミアム」バトルパスの報酬には合計1300Apex コインが含まれているため、これをクリアすれば、追加費用なしでプレイヤーは次のプレミアムバトルパスも入手できる。また「プレミアム」とほぼ同じ内容で若干リワードが多い「アルティメット」層が用意され、こちらは2週間前の発表のとおりリアル通貨のみ入手可能、日本円では1255円とした。

一方、従来の「プレミアム」バトルパスの上位層である「プレミアムバンドル」バトルパスは、従来なら2800Apexコインで入手できたとところを2週間前の発表でリアル通貨2484円のみ変更されていが、今回の発表では名前を「アルティメット」に変え、報酬を若干減らして2484円のリアル通貨のみで提供するとしている。

Image:EA / Respawn

毎シーズン、バトルパスを完走することをこのゲームへのモチベーションとしてきた人々には、今回の変更は概ね満足のいくものになったと言えそうだ。あとは、EA /Respawnが真剣にチーター対策を施すようになれば、さらにプレイヤー人口減少に歯止めができるはずだが、そちら方面ではとくに発表はない。

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