かつて「ピザに接着剤を塗れ」などの珍回答も

Google検索でのAI要約、表示頻度が減っているとの調査報告

Image:sdx15/Shutterstock

Googleは昨年5月から、ウェブ検索結果に生成AIがまとめた要約「AI Overviews(AIによる概要)」を合わせて表示している。まず米国からスタートし、数か月後には日本でも提供を開始していた

が、ここ数週間にわたり、GoogleがAIによる概要の表示頻度を減らしているようだとSEO企業のBrightEdgeが報告している。

同社の調べによると、AIによる概要は6月1日時点では検索結果の11%を占めていたが、6月30日には7%になっていたという。また、大手掲示板RedditとQ&AサイトQuoraを引用する割合も、以前より劇的に減少しているとのことだ。

AIによる概要が始まった当初、Googleはチーズが落ちやすいピザに接着剤を塗るよう助言したり(Redditのスレッドから引用したようだ)、1日に1個の岩を食べるよう勧めたりと、奇妙な回答への対処に追われていた。

当時、同社は「誤った結果を導くことを狙っているように見える無意味な検索」が見つかった一方で「多くの偽スクリーンショットが広くシェアされている」と主張。前者については「石をいくつ食べればいいんだ?」という馬鹿げた質問が増えていると指摘していた

その上で、AIによる概要を表示すべきではない無意味な質問の検出メカニズムを改善したり、ユーザー生成コンテンツの使用を制限するなどの調整を実施したと述べていた次第だ。

今回の調査結果につき、Google広報担当者は「我々が見てきたものを反映していない」として方法論を批判している。

さらに、実験的なSearch Labs機能の一部として「AIによる概要を選んだユーザーと、そうでないユーザーが混在しているように見える」とも述べている。オプトインした人であれば、より多くの検索結果でAIによる概要が見られるはずだという。

が、BrightEdgeは、AIによる概要にオプトインしたユーザーのみを追跡していると反論。両社の主張は平行線をたどっている。

AIによる概要は、GoogleにとってマイクロソフトやOpenAI、Perplexityといった競合他社サービスと戦う上で重要な位置づけだ。同社は依然として強気であり、スンダー・ピチャイCEOは5月の取材でも、人々は「AIによる概要に非常にポジティブな反応を示している」と語っていた

それでも「AIによる概要を表示するタイミングと方法を改善し続ける」として、まだまだ完成の域には遠いと示唆していた。生成AIのまとめが怪しげな回答を提供し続けていれば、場合によってはデマの拡散にもつながりかねず、Googleも厳しい決断を迫られるのかもしれない。

同社が鳴り物入りで始めた新規サービスをわずかな期間でクローズすることは珍しくはなく、それらの一覧は「Killed by Google」にまとめられている。ここ数年ではクラウドゲーミングのStadiaやVPN by Google One、Google Podcastの墓標が加わっている

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