Metaはデータ提供はするもののCOSの研究提案選定には関与しません

Instagram、10代ユーザーへの影響調査のため研究者にデータを開示

Image:FotoHelin / Shutterstock

ここ最近、Instagramに代表されるSNSが、10代の若者の心の健康に悪影響を及ぼすという研究結果がいくつか報告されている。一方、2021のMeta従業員による内部告発では「10代の若者の間の不安やうつ病の増加がInstagramのせいにされている」という内部文書もリークされていた。

これに対しMetaは、非営利団体のCenter for Open Science(COS)と共同で、本当にソーシャルメディアが若者に精神的なダメージを与えるものなのかを判断するための実証プログラムを開始する。

このプログラムでは、米国や英国を含む24か国の10代のInstagramユーザーを対象とし、最長6か月分のデータから、10代の若者のフォロワーやフォロー数、利用時間、アカウント設定情報などを用いて「Instagramの使用における潜在的なプラスまたはマイナスの関連性」を分析、判断する。ほかにも「Instagramと社会的または感情的な健康との間の統計的関係」などについても調査を行う。

もちろん研究目的といえども、どんな情報にも無制限にアクセスできるわけではなく、ユーザー数の統計情報や投稿・コメント・メッセージ内容も研究者らが読み取ることはない。

またCOSは、Instagramから直接得られるデータの研究は、アンケート調査や他の種類の研究など「他のデータソースと組み合わせることで、幸福度の理解に貢献する」可能性があると述べている。このプログラムを通じて、COSは10代の若者のメンタルヘルスに関連するさまざまな分野で最大7件の研究提案を選定する予定だ。

Instagramは最近、アプリ上で有害コンテンツから10代のユーザーを護るため、特定のコンテンツを長時間見ている場合に新しい発見を促すようレコメンドする通知を表示させると言った改善を取り入れた。しかし、米国ではInstagramを含む様々なオンラインプラットフォームに対する懸念が根強く残っており、子供の安全に関する法案や年齢確認法がいくつかの州で制定される流れとなっている。

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