消したい映像を確実に葬り去れるように

iOS 18ベータ、紛失・破損した写真やビデオを取り戻せる「復元済」アルバムが追加

Image:Matthew Nichols1/Shutterstock

今年秋の正式配信に先立ち、次期iOS 18はベータ版の配布が開始されている。開発者ではないユーザーでも登録すれば試せるパブリックベータも、数日前から提供中である。

その新機能として、紛失または破損した写真やビデオを復元して表示する「復元済(Recovered)」アルバムが追加されたことが明らかとなった。

公式リリースノートによると、この新機能は過去に紛失あるいは破損した写真やビデオを特定し、「復元済」アルバムに表示できるという。すでに「削除した項目」アルバムはあるが、それとは別ものだ。iOS 18のほかiPadOS 18、macOS Sequoiaのベータ版にも追加されているとのこと。

さらに、これら次期OSにアップデートすると、デバイスが自動的に復元できる写真やビデオをスキャンするようになるという。

どういう状況でデータが消失・破損するのか。アップルによれば「データベースの破損問題や、写真を撮ったのに写真ライブラリに正しく保存されない場合」とのこと。また、写真ライブラリの管理権限を持つサードパーティ製アプリも、紛失・破損の原因になり得ると説明している。

この「復元済」アルバムは、デバイス上に紛失または破損した写真・ビデオがある場合のみ表示される。何も見つからなければ非表示のままで、ユーザーが手動で切り替えることはできないようだ。

新機能の使い方は、次の通りだ。

  • 「写真」アプリを開く
  • 「Utilities(日本では「その他」)までスクロールダウンする
  • 「Recovered」をタップし、Face IDまたはTouch IDで認証する
  • 写真またはビデオをタップし、「完全に削除」または「ライブラリに復元」を選択する

大まかな操作の流れは、以前からある「削除した項目」内での完全削除あるいは復元とほぼ同じである。

表面的には削除した写真が復元できることは、はからずもiOS 17.5のバグという形で証明れたばかりだ。まもなくアップルはiOS 17.5.1で対応したものの、この症状は「データベース破損」により希にしか起こらず、ごく一部のユーザーと写真に影響するだけだと強調していた

「復元済」アルバムは、そのバグを有効活用したものかもしれない。この機能が正式採用されれば、写真やビデオを確実かつ完全に削除できる、あるいは永遠に失われたと思っていた映像を取り戻せるチャンスが増えそうだ。

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