8インチのフロッピー、見たことありますか?

ドイツ海軍、フリゲート艦搭載の8インチフロッピーディスクの置き換えを検討中

Image:Bundeswehr

ドイツ海軍は、1990年代半ばに就役した4隻のブランデンブルク級フリゲート艦「F123」の近代化事業の一環で、船舶機能制御システム上のデータ収集システムで使われている8インチフロッピーディスクドライブを置き換える代替メディアソリューションを探している。

公式の入札情報によると、ドイツ海軍は理想的な解決策として「データ収集システム用のフロッピーディスクユニットを交換するエミュレートストレージシステムの開発と搭載」を希望しているという。なお、この事業のゼネラルコントラクターはスウェーデンの軍需・航空企業Saab(サーブ)が務めている。

データ収集システムは、艦載の兵器システムとは関係しないものの、船舶として航行する際にさまざまな動作パラメータを記録するものだ。それらのデータは推進や発電の制御のために使用されるという。

F123が就役した1994~1996年頃と言えば、まだまだデータ記録、保管メディアとしてフロッピーディスクが活躍していた時期。さすがに8インチのフロッピーディスクはほぼ見かけなくなっていたものの、この艦の設計作業が行われた時期を考えると、選択肢としてそれほどおかしくはないのかもしれない。

詳細は機密事項とされているが、データ収集システム全体を再設計・交換せずに済ませるためには、現在のフロッピーディスクやフロッピーディスクドライブの機能をそのまま保持しながら、現在使用可能なメディアまたはストレージシステムに置き換えなければならない。

それは簡単なことではないが、同様の需要はほかの様々な業界にもあるはずだ。また、GotekのようなメーカーはすでにフロッピードライブをUSBストレージで代替できるエミュレート機器を販売しているため、決して実現不可能なことではないだろう。

なおドイツ海軍は、先月起工式が行われた次世代のフリゲート艦「F126」が完成し、使用準備が整うまでは、少なくともF123を使い続ける予定だ。

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