電力会社の停電マップが機能しないなか、思わぬ活用
米ハンバーガーチェーンのアプリ、ハリケーンに際して “停電マップ” 化する
米国のWhataburgerは、全米で800店舗近くを展開し、特に地元テキサスでは人気のハンバーガーチェーンとして君臨している。もちろんモバイルアプリも用意しており、スマホからメニューを選んで注文できるし、マップを表示して近くの店舗を探すこともできるのだが、そのWhataburgerアプリの意外な活用方法が伝えられている。
7月9日現在、テキサスには猛烈なハリケーン「ベリル」が上陸し、複数名の死者を出す被害を巻き起こしている。そして200万件以上が停電に見舞われ、情報収集もままならない状況に陥っていると報じられている。
ヒューストンのエネルギー企業CenterPoint Energyが運営する停電マップは、5月に「デレチョ」と呼ばれる暴風雨が発生して以来、機能しなくなっている状態。そんななか、ヒューストンの人々はWhataburgerのモバイルアプリが、擬似的な停電マップになることに気づいたという。
X(Twitter)ユーザーのBBQ Bryanは「Whataburgerのアプリは停電トラッカーとして機能する。電力会社が(停電状況の)地図を示していないので、これは便利だ」と投稿した。
BBQ Bryanの投稿は瞬く間に700万回以上参照され、2.8万件以上のいいねを得た。投稿に添付されたスクリーンショットでは、ヒューストンの地図にオレンジ色とグレーのアイコンが無数に散らばっている。これは本来、Whataburgerの店舗が開店しているか閉店しているかを示しているのだが、24時間営業のWhataburgerが閉店しているということは、停電状態だと推測できるわけだ。意外な活用方法の発見に、Whataburgerのアプリもダウンロード数も急増したという。
「ヒューストンの住民が、市内のどこに電気が来ているかを知るのに、当社のアプリが役立っていることを嬉しく思います」と、Whataburgerの社長兼CEOのエド・ネルソン氏は述べた。そして、「このアプリは、あくまで電気が通じている状況の目安として使用するようご注意願います」と付け加え、正確な情報は電力会社に問い合わせ、外出時は安全に気をつけるよう呼びかけた。
ベリルは8日夜には熱帯低気圧に変わったが、直撃した地域は風速40m以上に達する強風にみまわれ、多くの地域で洪水を起こし、倒木やがれきをあたりに散乱させている。ヒューストンの飲食店の多くは停電のため依然として閉店しているが、CenterPoint Energyは水曜日のうちには100万件への電力供給を復旧できるとの見通しを示している。
- Source: BBQ Bryan(X)
- via: USA Today TechCrunch Eater Houston