「R9」「wish4」のタッチ&トライも
シャープ、新スマホ「AQUOS R9/wish4」でデザイン刷新。“自由曲線”で目指したのは「親近感」
シャープは、7月4日より順次発売を開始するスマートフォン新モデル「AQUOS R9」「AQUOS wish4」のメディア向けタッチ&トライ体験会を、7月2日に都内で開催した。本稿ではその模様をレポートしたい。
「AQUOS R9」は、ライカカメラ社監修の高画質カメラや、高度な処理性能を備えるというハイエンドモデル。発売日は7月12日(金)予定で、本日7月2日より予約受付も開始している。
「AQUOS wish4」は、割れにくい大型ディスプレイを搭載したベーシックモデル。発売日は7月4日(木)予定で、すでに予約受付中。なお、いずれもSIMフリーモデルの発売時期は近日公開としている。
あわせて、「AQUOS R9デビューキャンペーン」も実施。対象期間内にR9を購入し応募することで、もれなくdポイントもしくはPayPayポイントがそれぞれ10,000ポイント付与される。期間は9月1日(日)まで。さらに、抽選で100名にfinalの完全ワイヤレスイヤホン「ZE8000 MK2」がプレゼントされる早期購入特典も用意する。
俳優・松田優作がアンバサダー就任。最新テクノロジーを活用した新CMも公開
イベント前半では、本日7月2日に公開された新製品TVCMの発表や、ゲストを招いてのトークセッションなどが実施された。冒頭には、スマートフォン「AQUOS」のブランドアンバサダーに、『太陽にほえろ!』や『探偵物語』などで知られる日本を代表する俳優、松田優作氏が就任することが発表された。
合わせて、同氏が登場するAQUOS R9の新TVCMがお披露目。CMでは松田氏がAQUOS R9を手に取り、本製品の映像美や長期間安心して使用できる丈夫さと新デザインの個性について、演技に一切の妥協を許さず自身の哲学と信念を貫いた松田氏の言葉を通じて伝える内容となっている。
本映像に登場する松田氏は、AIおよび高精細3DCG、モーションキャプチャーなどの最先端テクノロジーを駆使して、東映ツークン研究所と共同で制作。また、松田氏の妻で女優・写真家の松田美由紀氏の監修も受けている。本CMは7月12日より放映開始だ。
さらにCM放映にあわせて、7月中旬より展開予定の交通広告も公開された。シャープ(株)通信事業本部 本部長の小林 繁氏は、この広告デザインについて「松田氏の無骨でかっこいい部分に加えて、少しおちゃめな部分も切り出し、AQUOSのブランドイメージに重ね合わせた。AQUOSならではの強いこだわりや、周りに流されない芯の強さをこの広告で伝えていきたい」と力を込めた。
“自由曲線”デザインの秘話が語られたトークセッション
トークセッションでは、初めにクアルコムジャパン合同会社 副社長の中山泰方氏がゲスト登壇。シャープ(株)通信事業本部 パーソナル通信事業部 事業部長の中江優晃氏と共に、R9に搭載されているプロセッサー「Snapdragon 7+ Gen 3 Mobile Platform」に関するトークを繰り広げた。
今回採用された7+ Gen 3の魅力について中山氏は、「AI性能とカメラ機能の向上、そしてさらなる消費電力の削減によるバッテリー駆動時間の向上という、3つの目標を実現するべく開発した」とアピール。前世代のGen2と比較して、CPUで約15%、GPUで約45%の改善を図ったとしている。
Gen AI(生成AI)がもたらす効果については、「よりスムーズで自然なコミュニケーションをサポートする同時翻訳機能や、より自然で鮮明な動画・静止画撮影、そして編集作業を実現できるのが大きな特徴」と力を込める。
チップの消費電力については、同社フラグシップチップの8シリーズで使用される4nmプロセスのアーキテクチャを採用することで、Gen2と比較して約5%の消費電力削減を実現したと説明。「音楽であれば約2時間、動画であれば約40分長く再生することができる」と強調した。
続いて、今回の新製品2モデルの本体デザインを監修したmiyake designのデザイナー・三宅一成氏がゲスト登壇し、シャープ(株)通信事業本部 デザインスタジオ 部長の川 充雄氏と、デザイン面に関するトークセッションが行われた。
miyake designが監修した本体デザインの特徴として、背面カメラの周囲を円でも四角でもない “自由曲線” を採用しており、シンプルさと存在感を併せもつデザインに仕上げたと謳っている。
今回、本体デザインの監修をmiyake designに依頼した経緯について川氏は、「AQUOSを日本発信の世界に通用するブランドにしたいという想いから、昨今スマホのデザインが画一化されつつあるなか、何か従来のスマホの印象を変える新しいデザインにしたいと思った」と語る。
「その中で国内外で活躍されている三宅さんの作品を拝見し、暖かみや優しさが感じられるデザインをみて、何か新しいAQUOSのデザインに通ずるものがあると感じた」と、今回デザイン監修のオファーに至った理由を述べた。
三宅氏は、今回掲げられたデザインコンセプト「情緒的価値」について問われると、「スマホは日常生活で常に持ち歩く物。そのため、人とどう関わるかが凄く大事だと考えた」「ハイスペックさを表現するよりも、もう少し人に近い、親近感が感じられるデザインを、どうにかプロダクトに落とし込めないかと考えた」と語る。
「仕事柄、インテリアの雑誌などを読むと、インテリア空間の中に家電や電子機器が写っていることが少ない。家電や電子機器がもっと『感じの良い物』として捉えられ、そういった空間の中にあっても違和感のない物にしたかった」と、今回のデザインコンセプトを決めた背景を述べた。
また、カメラ部分に採用された “自由曲線” について問われると、「四隅の角を揃えるとか、センターを揃えるのがプロダクトの王道の作り方。今回はそれをあえて採用せず、より自由な形状や、カメラレンズを中心に揃えずランダムに配置するなど、心地よいレイアウトを目指した」「何かに沿って配置を決めるのではなく、あえて感覚的に配置していくことで、より人に近い、親近感のあるデザインしたかった」と説明する。
当初デザインのイメージスケッチが挙がってきた際、シャープ社内での反応は賛否両論だったのだという。だが川氏は、「実機として仕上がったのを見たときに、めちゃくちゃ良いデザインだという声が多く挙がった」と笑顔で語った。
最後に三宅氏は、「5月に発表されてからこれまで、主に画像や動画でしか製品を見てもらえなかったが、ようやく皆さんに実機を手に取って見てもらうことができる。ぜひ、一度お店で手にとってみてほしい」と力を込めた。
両モデルの性能をアピールするタッチ&トライ開催
会場内のタッチ&トライコーナーでは、AQUOS R9とwish4の実機が展示され、実際に触れることができたほか、両モデルの特徴や仕様を紹介する展示やデモンストレーションなどが用意されていた。
注目コーナーとして、AQUOS wish4では本体を背面落下させた実験のデモンストレーションを用意。AQUOS R9では、全白輝度1,500nitの明るさを確認できる前モデルとの比較展示や、周囲が暗くてもしっかりとピントが合う新オートフォーカス、料理にかかった影を消すといったAI活用の機能などカメラ性能の実演デモが行われていた。
また、新たに新規開発されたスピーカーシステム「デュアルスピーカーボックス」によって強化された、AQUOS R9のサウンドが体感できるデモも用意。ブース内では、前世代モデルR8と比較試聴することができ、担当者は「主に音のクリアさと音の広がり、低域感の3点が向上している」とアピールしていた。
そのほか、防水や防塵にも対応することで、洗たく機に入れてしまっても駆動する様子や、汚れた際にもハンドソープで洗浄できる点をアピール。miyake designがデザイン監修したfinalの完全ワイヤレス「ZE8000 MK2」との組み合わせ展示や、同じくmiyake designが監修したスマホ専用ケースの展示なども行われていた。