先行するライバルを追撃する態勢が整うことになるか

米Amazon、新AIチャットボット「Metis(仮)」を開発中のうわさ。9月にもリリースか

Image:Tada Images/Shutterstock

米Amazonは現在、ChatGPTのライバルとなる独自の一般向け用AIチャットボットを開発しており、9月にも暫定的にリリースされる可能性があると報じられている。

Business Insiderが情報筋や文書として入手したという情報によると、このAIチャットボットにはギリシャ神話における知恵の女神にちなむ「Metis」という名がコード名として付けられ、「Olympus」と呼ばれる新しいAIモデルで実行されるとのことだ。機能的には、会話のやり取り、情報検索、さらには画像生成など、さまざまなタスクで優れた能力を発揮すると伝えられている。

MetisはRAG(retrieval-augmented generation)と呼ばれるアプローチを採用しているとされる。このアプローチでは大規模言語モデル(LLM)をリダイレクトして、あらかじめ定められた信頼のおけるナレッジソースから関連情報を取得する。また管理者は生成されるテキスト出力をより詳細に制御することができ、ユーザーはLLMがどのようにして応答を生成するかを理解可能になるという。

先週、AmazonはAlexaを大幅に刷新するAIチャットボット「Banyan」を準備中とも報じられており、その後これが「Remarkable Alexa」と呼ばれることになると伝えていた。

Business Insiderは、MetisがRemarkable Alexaと一部で同じインフラストラクチャーを採用していると伝えているが、詳細は不明だ。

Metisが暫定リリースされるという9月はAmazonにとっては新製品発表イベントの時期に重なる。そのイベントでMetisを発表すると考えるのが妥当なところだが、ある情報筋は、OpenAIがChatGPTを2022年にリリースし、GoogleがBardを203年に出したのを考えると、Amazonの対応は遅すぎる可能性があると指摘したという。

Amazonは独自のLLMである「Titan」を利用するビジネス向けの生成AIモデル「Q」やAIショッピングアシスタント「Rufus」などでより多くの顧客を獲得しようとしているところであり、一般向AIチャットボットのMetisの発表によって、先行するライバルを追撃する態勢が整うことになるのかもしれない。

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