中国AI企業は囲い込み合戦

OpenAI、中国からのChatGPTへのアクセスをブロックへ

Image:Vitor Miranda/ Shutterstock.com

中国国営メディアSecurities Timesなどが伝えたところでは、OpenAIは中国を含む複数の国で同社のAI製品へのアクセスをブロックすることを検討しているという。

OpenAIは世界160か国以上で利用可能だが、もともとその中に中国は含まれていない。ただ、APIを通じてChatGPTにアクセスすることはでき、多くの中国のスタートアップが独自のAIアプリを作るためにこれを利用していたとのことだ。

Reutersによれば、OpenAIの広報担当者は「われわれは、OpenAIのサービスへのアクセスをサポートしていない地域からのAPIトラフィックをブロックするための追加措置をとっている」と述べたという。

また中国からOpenAIのサービスにアクセスしているユーザーに対しては「OpenAIが現在サポートしていない地域」であることを警告するメールが届いており、サポート外地域からのAPIトラフィックが7月9日からブロックされると予告されている。

中国のIT企業であるバイドゥ(百度)は、同社のAIプラットフォームである「Ernie」へ新規ユーザーを招待する「包括的なプログラム」を開始すると発表、OpenAIのユーザーに対し、OpenAI製品の利用規模に見合うよう、追加のErnie 3.5フラッグシップ・モデル・トークンを提供すると述べた(トークンとは、AIが処理するテキストの単位)。

アリババグループもまた、OpenAIのAPIユーザーに自社のAI製品「Qwen-plus」のトークンと移行サービスを無料で提供している。新興企業のZhipuもまたOpenAIのAPIユーザーに向けた「特別移行プログラム」を発表した。

OpenAIが、なぜこのタイミングでサポート外の国からのAPIアクセスをブロックすることにしたのかは不明だが、Bloombergは「高度な人工知能技術への中国のアクセスを制限するよう米国が圧力を強めている」ことと一致していると指摘した。また、中国は同国内のAI企業にAI分野での技術革新を奨励してしていると伝えられている。

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