オンラインゲーム関連はアンチチートのため

Copilot+ PCではGoogleドライブや『Fortnite』動かず。サムスンが明らかに

Image:Samsung

今週、マイクロソフトの提唱する「Copilot+ PC」に準拠したノートPCが同社のほかASUS、Dell、Lenovo、サムスン等から発売された。これらはクアルコム製「Snapdragon X EliteX/X Plus」チップを初搭載し、Windows Armベースのアーキテクチャを採用。高度なオンデバイスAIを支援すべくNPUを搭載し、45TOPSの演算性能を持つと謳っている。

クアルコムはゲームを含めて、ほとんどのWindowsアプリ(インテル/AMD製CPU向け)が動くと予告していた。が、サムスンは自社の「Galaxy Book 4 Edge」上で、今のところ特定のアプリが動かないことを明らかにした。

サムスンが公式サイトに掲載したリストには、Avast(アバスト)やカスペルスキーなど数多くのセキュリティソフト、InDesignやIllustratorといったAdobe製品、さらにはGoogleドライブやEPSON提供アプリも挙げられている。

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このうち、Adobeはあらゆる種類のアプリが「まもなく」対応すると予告していることから先は明るい。

ただし、Googleは自社製アプリのArm Windows対応に一切コメントしていない。Googleドライブに関しては、今なお「Windows ARMベースのデバイス」を名指しで対象から外している。Google日本語入力も、手元の環境(Surface Laptop 第7世代/Snapdragon X Elite版)ではインストール時にエラーが出てしまう。

同じArm系アーキテクチャのMacでは、Google日本語入力・Googleドライブともに正式対応しており、なぜWindows Armに対応させないのか気になるところではある。

サムスンの告知に戻ると、ゲームでは『フォートナイト』や『リーグ・オブ・レジェンド』、さらにはマイクロソフト『Halo Infinite』といった人気ゲームも動かないとされている。これらは全て、アンチチートを組み込んでいるからだろう。

アンチチートとはオンラインゲームでの不正行為を取り締まる仕組みだが、たいていはエミュレーションでは動作しない。つまり、本来はx86/x64のゲーム本体をArmプロセッサー上で動かせたとしても、アンチチートは弾かれるというわけだ。そのことは、クアルコムが数ヶ月前から明かしていた

こうしたアンチチートは、非Windows PCで既存のWindowsゲームを動かす上でネックとなっている。Steam Deckが発売された当時から解決が模索されてきたが、いまだに打開されていない。

米The Wall Street Journalに対して、サムスンは「アプリ開発者に改善を求め、改善スケジュールを確認して継続的なアップデートを提供する」とコメントしている。サムスンはGalaxyスマートフォンの生成AI(Galaxy AI)やPixelデバイスのTensorチップでGoogleと協力関係にあるだけに、改善への“要望”を切に期待したいところだ。

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