バンドとして数年前から海洋プラスチック削減に取り組んでいます

Coldplay、河川プラスチックごみから新アルバムの限定LP盤を製作

Image:Ocean Creanup

英国のポップロックバンドColdplayは、10作目となる新しいアルバム『MOON MUSiC』の限定エディションを、グアテマラの河川から回収されたプラスチックごみを材料として製作、発売する。

これはNPO団体Ocean CleanupとColdplayによる2021年からの協力の一環としての活動だ。Ocean Cleanupは河川から海に流れ込む海洋プラスチックごみの削減に取り組んでおり、2020年には独自のごみ回収システムによって回収されたプラスチックごみからサングラスを製造し、販売した。

Ocean Cleanupはプラスチックごみの流出を海の手前で食い止めることにも取り組んでいる。Ocean Cleanupによれば、世界の海洋プラスチックごみの80%は世界の1000の河川から流出しているという。そして、重点的にそれらの河口でごみ回収を行うことで、大きな成果があがると考え、自律的にプラスチックを回収するロボット船Intercepterを開発して2019年から一部の河川で運用を始めた。

その後も、Ocean CleanupはIntercepterの展開を続け、2021年にはマレーシアに5番目のロボット船を投入する計画を発表した。このときに資金協力を申し出たのが、環境保全に熱心に取り組んでいることで知られるColdplayだった。当時、Coldplayのメンバーは「なにか対策をしなければ、2050年までに海に漂うプラスチックの量が魚の量を上回るかもしれない。だからこそ、Ocean Cleanupの活動は極めて重要だ」「私たちは、海に到達する前に何千トンものごみを捕獲するIntercepter 005のスポンサーになれることを誇りに思う」と語った。なお、Coldplayのサポートを得たこのIntercepterには「Neon Moon 1」という別名が付けられた。

一度限りの支援ではなく、その後もColdplayはOcean Cleanupのサポートを続けている。昨年には、Coldplayがスポンサーを務める2隻目のIntercepterが、インドネシアに配備された。

そして今回、Coldplayは回収したプラスチックごみの再利用でも世間に模範を示すことになる。もうすぐ発売される予定の新作アルバム『MOON MUSiC』 LPの一部限定盤を、通常のビニール盤の代わりに、河川から回収したプラスチックごみ70%とリサイクルされたペットボトルやその他の資源30%を使用した材料を使ってプレスすると発表したのだ。

ColdplayはOcean Cleanupや、グアテマラのBiosfera GT、Compuestos y Derivados SA、Morssinkhofといった環境保護団体およびリサイクル企業、レコード・CDプレス業者のSonopressとともに、レコード用材料の開発やその他の品質管理およびテストに協力したとのことだ。

Coldplayの『MOON MUSiC』の限定ノートブック版は、プラスチックごみを材料にしたアナログレコード(LP)のほかに、歌詞や手描きのイラストなどを含む全28ページのハードカバー冊子が同梱される。さらに、90%リサイクルポリカーボネート材料で作られたCDもパッケージに含まれるとのこと。価格は39.99ドル(約6300円)で、現在はバンドのウェブサイトで予約を受け付けている。ただし、ウェブサイトからの購入は米国およびカナダへの発送しか対応していない模様だ。

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