日本でのドローン飛行は厳格に規制
米アマゾンのドローン配送、「視界外飛行」許可により配送地域を拡大へ
米アマゾンは、ドローンで商品を配送する「Prime Air」につき、オペレーターが目で見える範囲の外で飛ばせるようFAA(連邦航空局)の承認を得たと発表した。これは30分以内に顧客に商品を届けるという、長年の野心にとって大きな一歩となるものだ。
この「Amazon Prime Air」は、2023年から米国内で実験的に提供されてきた配送サービス。最大5ポンド(約2.3kg)の商品を1時間以内に届けるものだが、FAAの規制によりパイロットの視界外(BVLOS)で飛行できない制約があった。
BVLOSは、飛び立ったドローンが配送先に移動する際に、人間が文字通り監視する必要がなくなることを意味する。オペレーターは拠点に留まり、ドローンのルートと配送を管理できることになる。ほとんどのドローン配送サービスにとって、最終的な目標である。
規制のハードルがなくなったことで、アマゾンはテキサス州カレッジステーションでの配送エリアを直ちに拡大。さらに多くのドローンを投入し、より遠く離れた人口密集地まで配達可能にする予定だ。
今後しばらくは、自律による検知・回避能力を持つMK27ドローンを運用する予定。すでにアマゾンは従来モデルよりも騒音が少なく小型軽量化し、小雨や高温・低温下でも飛べるMK30ドローンを設計していることも発表済みだ。
アマゾンは米国のほか、イタリアとイギリスなど全世界の都市でドローン配送する地域を広げつつある。一部の当日お急ぎ便に対応するデリバリーステーションから飛行し、風邪薬やバッテリーなど、すぐに手に入れる必要がある商品のうち、ドローンでの安全な配送が可能な条件にあったものが対象となっている。
米国でBVLOSの許可を得たのはアマゾンが初めてではなく、すでにUPS、Wing、FedEx、Ziplineなど、他のドローン配送事業者が認可されている。日本でもドローンの飛行には厳しい規制が敷かれているが、こうした流れに対応するかどうか注目したいところだ。