11インチモデルを含めずとも大きな差

13インチ M4 iPad Proの出荷量、有機EL搭載Surface Proの23倍以上か

Image:Apple

今月(2024年5月)は奇しくも、2つのハイテク大手から有機ELディスプレイ搭載製品が発表されることになった。1つはアップルのM4搭載「iPad Pro」、もう1つはマイクロソフトのSnapdragon X Elite/Plusチップ搭載「第11世代Surface Pro」である。

しかし、両者の出荷量には大きな隔たりがあり、13インチiPad Pro向け有機ELパネルだけでSurface Proの23倍以上にも及ぶと著名アナリストが述べている。

M4 iPad Proはすでに発売されているのに対し、有機EL搭載Surface Proは6月18日に発売予定である。先に市場に出た製品向けディスプレイの出荷量が多いのは当然とも思えるが、実は事情が異なる。

ディスプレイ関連サプライチェーン調査会社のCEOであるRoss Young氏がX(旧Twitter)に投稿した発言および月別グラフによると、13インチiPad Pro向けパネルは2月に出荷が始まっているのに対し、SurfacePro向けは昨年の11月にまで遡る。数か月もの時差にもかかわらず追い抜かれ、圧倒的な差が付けられている形だ。11インチiPad Pro向けディスプレイを含めれば、その差はもっと大きくなるだろう。

また、iPad Proはコンシューマー製品として初めてタンデムOLEDを採用したことも注目に値する。この技術は有機ELの発光層を2枚重ねにしたもので、ピーク輝度が高く、発光層ごとの負荷が減るためパネルの寿命も長い。

もっとも、マイクロソフトがパネルの発注を絞ったのも理解しやすい。M4 iPad Proが標準で有機ELディスプレイ搭載に対し、Surface Proはあくまでオプションであり、液晶版のベースモデルよりも9万円近く余分に支払わなければならない(プロセッサーもSnapdragon X PlusからEliteに格上げされるが)。

逆にいえば、iPad ProはSurface Proよりも遙かに出荷台数が多いことから、スケールメリットが働き、本来は高コストになるタンデムOLEDの価格を下げられたのだろう。日本では円安効果もありiPad Proが高すぎるとの声もあるが、Young氏はあまりの「安さ」に驚いていた

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