画像生成AIの技術をタンパク質構造予測に

Google、タンパク質やDNAなどをモデル化できる構造予測AI「AlphaFold 3」発表

Image:Google

Google DeepMindとIsomorphic Labsは、2億種類以上のタンパク質構造を予測、カタログ化したAIモデル「AlphaFold」を改良した「AlphaFold 3」を開発した。

タンパク質の形状と構造を知ることで、それが人体にどのように作用するかを知ることができる。研究者はその情報を元に薬剤の開発を行ったり、既存の薬の改良を重ねることが可能になる。

AlphaFold 3は、タンパク質に加えてDNAやRNA、さらにはあらゆる生体分子の構造予測まで可能にし、薬の開発やゲノム研究にも活用できるようになる可能性があるという。

Google DeepMindでこのプロジェクトを率いるジョン・ジャンパー氏は「タンパク質がDNA損傷にどのように反応するのか。またどのように損傷を発見し修復するのか」といった疑問の解明がAlphaFold 3によって可能になるかもしれないとしている。

タンパク質の構造解析は、通常は電子顕微鏡やX線による結晶構造解析といった方法でミクロの世界を覗き見る必要があった。しかし、AIを用いた解析なら、機械学習によって認識された人間の目では気づくことができないようなパターンを使って、アミノ酸に基づくタンパク質の分子構造を予測するため、プロセスを大きく効率的にすることができる。

AlphaFold 3は、この分子予測にGoogle Gemini、OpenAI DALL・E 3、Midjourneyなど画像生成AIの中心的技術である拡散モデルを適用。「ソフトウェアが生成する分子構造がよりシャープになる」という。さらにAlphaFold 3は予測の信頼度を、たとえば青は確信度が高く、赤は確信度が低いなどと色分け表示できる。これにより、研究者は正確でない可能性の高い結果に対し適切な注意を払うことができるとのことだ。

AlphaFold 3は、研究機関が非商業的な研究のために使うために無償で提供されている。ただ、過去のバージョンは同時にオープンソース化もしていたが、今回のバージョンはなぜかそうはなっていない。

AlphaFold 3と同様のソフトウェアを開発しているワシントン大学の研究者、デビッド・ベイカー教授は、「AlphaFold 3の構造予測性能は非常に印象的だ」としつつ、Googleがこの技術をオープンソースにしないことに対して失望したとの意見を述べている。一方のGoogleは、「Isomorphic Labsはすでに製薬会社と共同研究を行っており、このソフトウェアを実際の新薬開発における課題に適用し、最終的に患者の命を救うような新しい治療法を開発しようとしている」と説明した。

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