大型化でも省電力で高コントラストを実現できるか?

次期12.9インチiPad Air、前Proモデルと同じMini LEDディスプレイ搭載か

Image:Varga Jozsef Zoltan/Shutterstock.com

昨年は「新型iPadが1つも出ない」1年となり、今年はまもなく新型iPad ProおよびiPad Airが登場するとみられている。当初は3月末頃と予想され、その後に新型ディスプレイの製造が難航している等の事情からずれ込み、今のところ「5月6日の週」に登場説が有力である。

その1つである12.9インチのiPad Airは、大型化やM2チップ搭載、横向きの自撮りカメラなどのマイナーチェンジはありつつも、ディスプレイは従来通り液晶だと予想されていた。けれども信頼性の高いアナリストが、現行の12.9インチiPad Proと同じミニLEDバックライト画面を搭載すると主張している。

ディスプレイ関連サプライチェーン調査会社DSCCのRos Young氏は、X(旧Twitter)の有料購読者向けに「驚きだ!次期12.9インチiPad AirはMini LEDディスプレイを搭載している」と述べている(下記ポストはそれに言及)。

さらに「12.9インチiPad Proの余ったMini LEDパネルを流用し、エッジライトLCD(画面のエッジに沿って配置されたLEDにより液晶ピクセルを光らせる方式)よりも低消費電力を実現する」とも付け加えている。次期iPad Proは有機ELディスプレイを採用すると噂されており、それを流用するということだろう。

現行の12.9インチiPad ProやMacBook ProはMini LEDバックライト技術を採用している。これは液晶パネルの直下にバックライトを配置する方式をベースとして、通常よりも小さなMini LEDを用いたものだ。

この技術はMini LEDを高密度に配置し、複数の領域に分割してエリア毎に輝度を制御する(ローカルディミング)ことで、省電力とともに高コントラストを実現できる。また画面全体を一様に照らしていた従来のバックライトよりも「黒」を(そのエリアの照明をオフにすることで)再現しやすい。

つまり次期12.9インチiPad Airは、10.9インチiPad Airよりもサイズが大きいだけでなく、ディスプレイ技術そのものが違うことになる。画面の大型化をMini LED化による省電力で相殺しつつ、表示も鮮やかになるとすれば、Young氏の言うとおり嬉しいサプライズだ。

もっとも、それは価格次第だろう。現行の12.9インチiPad Proも、当時は先進技術だったMini LED採用のためか高価となっていたが、「在庫処分」ということで手頃な値段になると期待したいところだ。

関連キーワード: