傾向は半年前と変わらず

米国の10代に人気のスマホ、圧倒的にiPhoneが優勢

Image : Kaspars Grinvalds / Shutterstock.com

投資家向けの銀行・証券会社Piper Sandlerは、年2回実施しているさまざまな製品に対してティーンエイジャーの好みを分析する市場調査の最新版を発表。米国の10代の若者たちの間では、Androidスマートフォンよりも圧倒的にiPhoneが人気との結果が報告されている。

この結果は、すでにスマートフォンを持っている人たちも調査対象になっており、回答者の85%がすでにiPhoneを所有しているとのこと。また、回答者の86%は次のスマートフォンにもiPhoneを使いたいと述べている。

前回の2023年10月の調査では、同じ項目において87%がiPhoneユーザーであり、調査回答者の88%が現在のスマートフォンからの買い換えにiPhoneを希望していた。

つまり、半年前から若者たちの傾向はほとんど変わっていないと言えることになる。前回から今回の調査までの間に、スマートフォン市場に画期的と言える商品が登場していないことも、変化の少なさを後押ししているかもしれない。

ただ、ソフトウェア技術としては、ChatGPTやGeminiなどの生成AIが急激な発展を遂げており、スマートフォンのなかでもGalaxy S24やPixel 8などにはAI機能が組み込まれるようになった。アップルも手をコマ寝入るわけではなく、次のiOS 18搭載iPhoneは生成AI機能が組み込まれるといわれている。

しかしながら生成AIは、それほど若者たちの興味を惹きつけたり、OSの壁を乗り越えてスマートフォンを買い換えたりする動機になるほどのものでもないようだ。

Piper Sandlerの報告では、「iPhone所有率85%と、iPhone購入意向86%という指標はいずれも、当社の調査では過去最高に近い数字であるものの、2021年の記録レベルからは低下している」「新しいiPhoneが発表され続けているため、プレミアム層のスマートフォンへの傾向は堅調で、アップルの製品ポートフォリオ全体の安定性が証明されている」「アップルハードウェアのインストールベースが拡大し続けることで、サービスにも前向きな傾向が続くものと考えられる」と述べられている。

この調査では、10代の34%がApple Watchを使用していることも報告されている。これも半年前の傾向そのままだ。さらに、10代の13%がApple Watchの購入を希望している。ただし、スマートウォッチ所有者は全体の39.7%ほどで、当然ながらiPhoneに比べると全体の数は少ない。

一方、10代の間で人気のストリーミングサービスではApple MusicやApple TV+の人気はSpotifyやNetflixに及ばない。特にApple TV+は5%ほどしか若者の間での利用者がいないのが現状だ。これはサービスに含まれるコンテンツがアップルオリジナル作品のみであり、映画や他社製作のドラマなどを含んでいないことも関係していそうだ。

アップルは量よりも質を重視しており、『テッド・ラッソ』や『モーニング・ショー』など質の高い作品が多い。また、子供向けのコンテンツも比較的充実している。一方で、若者たちが好みそうな刺激の強いスプラッター系の描写や性的な描写はかなり抑えられている。

これらの調査は、全米47州の10代約6,000人以上を対象として行われた。回答者の平均年齢は16.1歳。約38%がアルバイトなどで収入を得ており、所属する世帯の平均収入は6万6,280ドル(約1,014万円)となっている。

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