どれが選ばれる?
NASA、月面用の乗りもの「LTV」開発企業を選出。3社から1台を実証ミッションへ
NASAはアルテミス計画の月面探査において、飛行士たちが月面を移動するための乗りものであるLnar Trrain Vehicle(LTV)の開発企業として、Intuitive Machines、Lunar Outpost、Venturi Astrolabの3社を選出したと発表した。
3社は、それぞれが提案するLTVを開発。NASAはそのうち1台を選出して月面に送り、性能と安全性に関する実証試験を計画している。NASAは2030年代はじめに打ち上げ予定のアルテミスVのクルーによって、LTVを使用する予定だ。
NASAで有人探査を統括するジェイコブ・ブリーチャー氏は「われわれはLTVを利用して、徒歩では到達できない場所に移動し、現地での探査活動により新しい科学的発見をする能力を高める」と述べた。
現在、各国の宇宙機関は月の南極付近の、常に日陰になる場所にあると考えられる水氷を探すことを計画している。今回のLTVは、アルテミス計画で飛行士たちが月の南極へ向かうため、有人車両としても無人車両としても機能し、移動手段として、また遠隔操作による探査用として機能することが求められる。
ちなみにNASAは、LTVに関連する予算を最大46億ドルに達する可能性があると見積もっている。また、最終的に開発を受注した企業は、月面でLTVが使われないダウンタイムを、商業利用に活用できるとのことだ。
NASAはアルテミス計画を通じ、初の女性飛行士、初の有色人種の飛行士そして初の国際的パートナーを月面に送り込み、科学的発見、技術進化、経済的利益を得るために月を探索し、火星への有人飛行の基盤を構築することを目指すとしている。そのためにSLS(Space Launch System)ロケットやOrion宇宙船、有人着陸システムや次世代宇宙服、月を周回する有人拠点となるゲートウェイの開発が計画されている。