アクセシビリティ、オンライン会議向け機能、サステナビリティを中心に強化

レノボ、ディスプレイや操作性強化の「ThinkPad」2024年モデル14機種

編集部:成藤正宣

ThinkPad X1 Carbon Gen 12

レノボ・ジャパンは、同社のノートPC “ThinkPad” より、フラグシップ “X1シリーズ” をはじめとする2024年モデル14製品を発表、3月26日から順次発売する。ラインナップと最少税込価格は次の通り。

■ThinkPad X1シリーズ

・ThinkPad X1 Carbon Gen 12:333,300円~
・ThinkPad X1 2-in-1 Gen 9:371,800円~

■ThinkPad Tシリーズ

・ThinkPad T14s Gen 5:276,100円~
・ThinkPad T14 Gen 5:246,400円~
・ThinkPad T16 Gen 3:278,300円~

ThinkPad T14s Gen 5

■ThinkPad Xシリーズ

・ThinkPad X13 Gen 5::299,200円~
・ThinkPad X13 2-in-1 Gen 5::299,200円~
・ThinkPad X12 Detachable Gen 2:後日発表

ThinkPad X13 2-in-1 Gen 5
ThinkPad X12 Detachable Gen 2

■ThinkPad Lシリーズ

・ThinkPad L13 Gen 5:242,000円~
・ThinkPad L13 2-in-1 Gen 5:258,500円~
・ThinkPad L14 Gen 5:236,500円~
・ThinkPad L14 Gen 5 AMD:228,800円~
・ThinkPad L16 Gen 1:236,500円~
・ThinkPad L16 Gen 1 AMD:228,800円~

ThinkPad L16 Gen 1 AMD

なお、これまで2-in-1タイプのモデルには “Yoga” の名前が付けられていたが、今後は “2-in-1” 表記に置き換えて統一するとのこと。

新ラインナップの発表にあたり、同社企画本部製品企画部マネージャーの元嶋 亮太氏は、1992年のThinkPad誕生当初からのコンセプトである「生産性向上のために計算しつくされたデザイン」「場所を問わず持ち運べる携帯性と堅牢性/信頼性」「数多くのイノベーション」を、2024年モデルも受け継いでいると説明。

その中でも、コロナ禍を経ていよいよ進んだハイブリッドワークやオンライン会議の普及、サステナビリティへの関心の高まりといった、ビジネストレンドを鑑みた改良を施したと語る。

元嶋 亮太氏

具体的な強化点として、まず入力インターフェースをさらに洗練。キーボードでは打鍵感にこだわりつつ、使用頻度の高い機能/最新機能へのアクセスキーを配置した。一部キーには触れるだけでキーの位置と種類が判別できる突起を設けたほか、ユーザーの意見をフィードバックし、Ctrl/Fnキーの配置を入れ替えるなどしている。

入力インターフェースであるキーボードのアクセシビリティを改良

また、キーボード中央に搭載する “トラックポイント” をダブルタップすることで、マイクやカメラなどの設定画面を呼び出すことができる「TrackPoint Quick Menu」を搭載した。

「TrackPoint Quick Menu」表示

ディスプレイはアスペクト比を16:10とし、4辺のベゼルをさらに狭額縁化して表示領域を拡大。また、ディスプレイ表示領域とカメラ画質を両立するため「コミュニケーションバーデザイン」を採用し、ディスプレイ上部の凸状部位にカメラを収めている。

“Tシリーズ” “Xシリーズ” では、従来よりも画質の良い500万画素カメラを標準搭載。オプションとして顔認証用IRカメラを追加することもできる。

「コミュニケーションバーデザイン」で広い表示領域と高画質カメラを両立


サステナビリティの面では、使用素材や製造に必要なエネルギー、製品利用中の消費電力、修理や破棄に至るまで一貫して環境負荷低減に注力しているとアピールする。中でもメンテナンス性については、バッテリー、メモリ、ストレージなどユーザーが交換可能な範囲を拡大。交換可能な部品はほかの部位と色を変えるなど、メンテナンス時の視認性/安全性にも配慮しているとのこと。

分解のデモンストレーション

プロセッサーは、インテル “Core Ultra” シリーズを搭載。L14/L16の2モデルのみ、AMD “Ryzen” プロセッサーも選択できる。

フラグシップ “X1シリーズ” 独自の特徴として、クリックパッド(タッチパッド)が大型化。さらにオプションとして、タッチ操作の感度や追従性に優れた「感圧式クリックパッド」への交換が可能になった。

カメラは800万画素の4K MIPIカメラを選択することが可能。NPU(AI処理専用プロセッサー)も備え、カメラのフォーカス、ログイン処理高速化、外部ディスプレイ接続時の処理などを最適化する。加えてセキュリティを保ちつつ処理を高速化するほか、消費電力抑制にも貢献している。

マイクの設計も、これまで以上にクリアな集音が可能という構造に改良した。スピーカーはキーボード直下に配置され、キーボードの隙間から音を発する構造とすることでスリムなデザインと音質を両立。防水メッシュや防揺構造を備え、耐久性も兼ね備えるとしている。

中央のパーツがスピーカー。キーボードの隙間から音を放出する

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