iPhone 16シリーズ全モデルに導入?

「iPhone 16」シリーズ、さらにベゼルが薄く?BSR技術を投入か

Image:Apple/YouTube

昨年のフラッグシップ機iPhone 15 Pro/Pro Maxは、画面周りのベゼル(枠)をわずか1.55mmまで狭めることで驚きを呼んでいた。今年秋に発売が予想される「iPhone 16」シリーズでは、アップルは「ボーダーリダクション構造」(Border Reduction Structure/BSR)という技術により、さらなる狭額縁化を実現するとの噂が報じられている。

韓国の大手メディア時事ジャーナル(Sisajournal)は、業界情報筋の話として、BSRをiPhone 16シリーズ全モデルに導入すると報じている。これはパネル下部のボーダーをできるだけ薄くする加工技術であり、下部の銅配線を上側に巻き込むことでベゼル部分を減らす方式だという。

ディスプレイ業界関係者は、これまでのスマートフォンが上下左右のベゼルを削る努力をしてきたなか、下のベゼルを大きく減らすことはできなかったと証言している。以前も下ベゼルを減らすBSR技術が他社の一部製品に採用されたが、発熱の問題に直面。しかし、最近では放熱技術が改善されたため、再び導入される見通しだという。

昨年のiPhone 15 Proモデルでの極薄ベゼルは、LIPO(低圧射出オーバーモールディング)技術により実現したとみられる。新たな技術のBSRは、そのうち下部ベゼルの狭額化をさらに推し進めるということだろう。

iPhone 16シリーズに有機ELパネルを供給するサムスンディスプレイ、LGディスプレイ、中国BOE等は当該技術を確保したとのこと。ディスプレイ業界関係者は、これら企業はBSR技術をさほど難しい技術とみなしていないと語っている。

これに先立ち、iPhone 16シリーズにはグラフェン製の冷却システムや、バッテリケースを金属製に変更するなど、放熱に力を入れるとの噂話もあった。前Proモデルは、少なくとも発売直後は発熱に悩まされていただけに、熱対策を重視することは理に叶っている。

その一方、今回の情報筋は「(BSR)技術自体の参入障壁は高くないが、実質的な量産に入ると、企業によっては生産状況が変わる可能性がある」とも付け加えている。

アップル製品は、同じiPhoneやiPadといった製品カテゴリー内でも各機種ごとに画面パネルの供給元が異なることは珍しくないため、たとえば「iPhone 16 Plusは品薄あるいは納期遅れ」等もありうるかもしれない。

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