米国外の一部地域で6月までに発売の可能性

Apple Vision Pro、まもなく日本語対応か。国内発売への布石?

Image:Ringo Chiu/Shutterstock.com

アップルの空間コンピュータ(MRヘッドセット)「Apple Vision Pro」が2月に米国で発売されたが、今のところ他の国や地域でいつ発売されるかは不明である。先行きの不透明さは、Vision Proのバーチャルキーボードが英語(US)と絵文字にしか対応していないことにも象徴されている。

そんななか、近日中に日本語を含む新たな12の言語がVision Proのキーボードに追加される手がかりを、アップル関連情報サイトMacRumorsが(おそらくvisionOS等の)コードから発見したと報告している。

見つかったコードによると、以下の言語が追加される予定だという。

  • 広東語(繁体字)
  • 中国語(簡体字)
  • 英語(オーストラリア)
  • 英語(カナダ)
  • 英語(日本)
  • 英語(シンガポール)
  • 英語(イギリス)
  • フランス語(カナダ)
  • フランス語 (フランス)
  • ドイツ語 (ドイツ)
  • 日本語
  • 韓国語

これらの追加言語は、アップルが次にVision Proを発売する国を示唆していると思われる。

アップルのサプライチェーンに精通するアナリスト、Ming-Chi Kuo氏は、6月開催のWWDC(世界開発者会議)前に、Vision Proが米国外の多くの地域で発売される可能性があると何度か述べていた

有力候補としては、これまでの前例からオーストラリアやカナダ、ニュージーランドやイギリスといった英語圏が挙げられていた。そしてMacrumorsはフランスやドイツ、イタリアやスペイン等のEU諸国向けにvisionOSのローカライズが進行中だと主張していた。

なぜVision Proが、米国のみの発売に留まったのか。おそらく理由の1つは、部品不足や組立ての難しさから、初期の製造台数が限られていたからだろう。しかしKuo氏の調査では、2024年内のVision Pro生産量が50万~60万から70万~80万台に拡大したとのこと。十分な在庫が溜まれば、全世界での発売もしやすくなるはずだ。

もう1つのネックは、広い意味でのローカライズの必要性だ。ソフトウェアレベルで英語以外の言語をサポートする作業はアップル社内で完結するが、各国の規制に対応することは政府との協議や調整、法律のクリアに時間がかかる。

とはいえ、米国で(Vision Pro用の視力矯正レンズを含めて)メガネを作るには眼科医の処方箋が必要だが、日本ではそうした制限はない。たとえばMetaのVRヘッドセット製品も、世界各国でほぼ時差なく発売されていることから、Vision Proの日本発売もそう遠い話ではないのかもしれない。

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