アメリカで夏には店頭に並ぶ予定

米FDA、店頭購入できる持続血糖モニターを初承認

Image:Dexcom

米国食品医薬品局(FDA)は、医師の処方箋なしで店頭購入できる持続血糖モニター(CGM)を初めて承認した。

承認されたのは、Dexcomの「Stelo Glucose Biosensor System」。細かい針のついたセンサーパッチを上腕部に貼り付けると、専用のスマートフォンアプリを用いて、最大15日間連続で血糖値を常時(15分間隔)モニタリングできる。15日ごとにセンサーパッチを張り替えることで継続して血糖値をモニタリングし続けられる。

FDAのリリースによると、この機器は経口薬で症状を治療している糖尿病患者や、糖尿病の診断は受けていないものの、食事療法やその方法をより深く理解したい人などが販売対象になるとのこと。18歳以上の成人向けに設計されているという。

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特に、将来2型糖尿病になりやすい多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状を持つ人や、その他の代謝上の問題によるインスリン抵抗性の人たちにとっては、日常の食事や運動などの習慣が全体的な健康にどう影響するかを、より深く理解可能になることが期待される。

FDAの医療機器・放射線保健センター長である医学博士ジェフ・シュレン氏は、「CGMは血糖値の監視に役立つ強力なツールになり得る」とし「今日の認可により、個人が医療提供者の関与なしでCGMを購入できるようになる」「医師の指示や健康保険加入の有無に関係なく、より多くの個人に自分の健康に関する貴重な情報を提供することは、米国の患者の健康の公平性を高める上で重要な前進である」と述べている。

なお、この血糖値モニターはあくまで傾向を見るためのものであり、医療提供者に相談することなく、このモニターの出力だけで医療上の決定を下すべきではないと説明されている。FDAは、このデバイスが潜在的に危険な状態に陥ったことをユーザーに警告する設計ではないため、問題あるレベルの低血糖症を持つ患者向けではないと注意を促している。

認可が下りた米国では、Stelo血糖値モニターは夏頃から店頭に並ぶ予定だ。Dexcomはまだ価格を発表していないが、Steloが「CGM関連の保険に加入していない人にも選択肢を提供するものになる」と述べている。

最近、FDAは針を刺さずに血糖値を測定できると謳うスマートウォッチやスマートリング商品について、「単独で血糖値を測定または推定することを目的としたスマートウォッチやスマートリングを認可・許可・承認したことはない」と消費者に警告していた。もし、こうした商品を使用して表示された不正確な血糖値は、インスリンその他の血糖値を下げる薬の誤用につながる恐れがある。また、日本でも今年はじめにオムロンが、インターネット広告などで同社のブランドを語った「血糖値が測定できる腕時計型のウエアラブルデバイス」の広告が確認されているとして、注意を喚起していた。

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