産業用ロボットをカスタマイズしていた

チェスロボットが子供の指折る事故。数人がかりで救助

Image:iurii/Shutterstock.com

娯楽やイベントの場でロボットが活躍し、もてなしや案内をしたり、人々と交流したりする機会が増えている。それだけに細心の注意も求められているなか、ロシアのチェス大会に出場していた7歳の子供が、チェスを指すロボットに指の骨を折られたと報じられている。

この事件はロシアの首都モスクワにて、今月13日から21日にかけて行われたチェス大会で起こったことだ。その様子を捉えた動画を観ると、このロボットは産業用ロボットをカスタマイズしたものだと分かる。3つのチェス盤がロボットを囲むように置かれ、1つのアームで3つの対局を進められるようだ。

映像では、チェス盤の上にある子供の指を、ロボットアームがつかんだ瞬間も記録されている。その後すぐに複数の大人が駆けつけ、苦戦しながらもアームを指から引き剥がすことに成功した。

モスクワ・チェス連盟のセルゲイ・ラザレフ(Sergey Lazarev)会長は、「ロボットは子供の指を骨折させた。これはもちろん悪いことだ」と国営タス通信に語っている。「このロボットはレンタルしたもので、長年にわたり専門家とともに多くの場所で展示されてきた。どうやら、運用者が見落としていたようだ」とのこと。

事故の理由として、子供がルールを守らなかったとの趣旨が説明されている。まず子供が自分の駒を動かし、その後ロボットが反応するまで待つべきだったのが、子供が急いだためにロボットがつかんでしまったという。ラザレフ氏は「我々はロボットと何の関係もない」とも付け加えている。

産業用ロボットは一般に安全対策が施されているが、それでも従業員が手順を省略したりして災害に至るケースがあとをたたない。まして訓練を受けていない老若男女の相手をするチェスロボットの場合、ロボット側がハード/ソフト面で周到に安全を考慮すべきだが、そのあたりの配慮が足りていなかったのではないか。

怪我した子どもは、翌日にはギブスを付けて遊べるほどに回復したという。ラザレフ氏は「ロボットの運用者は、このような状況が二度と起こらないように、安全対策の強化を検討する必要がありそうだ」と述べている。

ドローンやロボットの開発者は、本当に怖いのは “人” だと言う。ロボット本体がモノにぶつかって壊れても金銭や人手をかければ直せるが、人身事故が起きれば取り返しが付かないこともありうるからだ。日常生活のなかにロボットが進出していく上でも、いっそうの配慮が求められそうだ。

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