Apple Store税とは縁切り

Netflix、「iOSアプリ経由の料金支払い」を一部地域で終了、直接契約に移行へ

Image:Twin Design/Shutterstock.com

Netflixは、米国など一部の地域のユーザーに対して、iPhoneまたはiPadのアプリを通じた料金支払いの受付を終了するという内容のメールをユーザーに通知し始めた。メールを受け取ったユーザーは、クレジットカードなどでこのストリーミングサービスに直接料金を支払うか、解約するかを選ばなければならない。

Netflixの広報は、この変更は「iTunesの支払い方法を使用していたベーシックプランの会員」に影響を与えると述べている。

アップルは2010年にiPhoneアプリに対してApp Storeのシステムを利用した月額支払いオプションの提供を開始した。しかし、ユーザーの支払額から30%を徴収する、いわゆるApp Store税を嫌ったNetflixはこの仕組みをなかなか採用せず、ようやくユーザーにそれを提供し始めたのは2015年のことだった。

しかし、2018年の後半になって、やはりユーザーが支払った金額をすべて手にするため、Netflixはアプリ経由によるユーザーの新規契約への対応を終了。新たに視聴契約を結びたい顧客や、契約を一時停止していて、再び再開しようとする顧客には、直接Netflixと契約する方法でのみ対応するようになった。ただこのときは、それまでにアプリ経由でNetflixと新規契約を交わしていた顧客には、支払いオプションの変更を強制せず、引き続きアプリ経由での支払いを認めた。その結果、これらのユーザーはエアポケットに取り残されたように今日まで旧来の支払い方法(や価格)を維持できていたわけだ。

したがって、今回影響を受けるユーザーは、これまで何年も契約してきたのと基本的に同じプランを維持したいのであれば、毎月5ドル以上の値上げを受け入れなければならない。逆に、値上げを拒否するのであれば、いまよりも毎月3ドル安いプランが紹介されるが、それを視聴するには広告の視聴が求められることになる。

ここ最近の動画ストリーミングサービスは、軒並み値上げが続いている。Netflixにどうしても視聴したいコンテンツが常にあるのなら、それを受け入れるのも良いだろう。またもし、惰性で契約を続けてきたという人がいるならば、契約を見直して必要なものに絞り込む良い機会かもしれない。

ちなみに、Netflixを語って契約内容の変更を迫る詐欺メールなども以前より出回っているようなので、もしNetflix契約者で今回の記事に関連するメールが届いた場合は、まずその内容と、特に差出人のメールアドレスが不自然でないかをよく確認することをおすすめする。

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