マイクロソフトのGitHub Copilot対抗?

アップル、開発環境Xcodeに生成AIコーディング&テスト機能を導入か

Image:justplay1412/Shutterstock.com

アップルは生成AI機能を開発中であり、次期「iOS 18」や音声アシスタントSiriの強化版などに組み込むと噂されている。その成果の1つとして、開発環境XcodeのコーディングとテストをAIにより効率化するアップデートが「完成に近づいている」と米Bloombergが報じている。

アップルの内情に詳しいMark Gurman記者によると、Xcodeの次期システムは、マイクロソフトのGitHub Copilotと同じように動作するという。すなわち「人工知能を使ってコードのブロックを予測し、完成させる」ことで、ソフトウェア開発のプログラミング過程が簡素化され、時間とコストが削減される可能性があると述べている。

また「アプリケーションをテストするためのコードを生成する」方法も模索しているとのこと。これらの新しいAI機能を試用するよう、一部の社内エンジニアに働きかけているとも付け加えている。いずれも、早ければ今年(2024年)中にサードパーティのソフト開発者向けのリリースを目指しているという。

アップルのティム・クックCEOは社内で生成AIを開発していると示唆し、今年後半に「この分野で我々が進めている取り組みの詳細をお伝えする」と約束していた。今回の記事では、その発表は6月に開催する年次開発者会議WWDCで行われる可能性があると述べている。

より一般ユーザーに身近な話としては、Bloombergは生成AIにより強化したSpotlightも検討中だと伝えている。

Spotlight検索は、iPhone、iPad、Macで利用できる検索ツールだ。デバイス内に保存された文書やファイルを検索できるほか、ウェブやApp Storeを探すことや、タイマーを開始する/集中モードをオンにするなど簡単な命令を行えるに留まる。

現在の初期バージョンでは「LLM(大規模言語モデル)に基づき複雑な質問に答えたり、アプリの奥深くまで入り込んで特定の機能を起動したりする機能が含まれている」とのこと。SiriとSpotlightは密接に結びついているため、両者の大型アップデートも同じ技術基盤に基づいているのかもしれない。

次期iPhoneとMac向けプロセッサーは、機械学習を処理するNeural Engineを大幅に強化するとの噂話もあった。iOS 18は、これまでと同様に数年前のデバイスもサポートすると思われるが、生成AI機能については「iPhone 16(仮)以降のみ」とする可能性が低くはなさそうだ。

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