何を言っているのかわからないとは思いますが…

腸内細菌を使って『Doom』表示させた研究者出現。ただし1フレームに9.5時間

Image:Ren Ramlan

id Softwareが1993年にPC版がリリースした『Doom』は、3D FPSゲームの名作というだけでなく、有志の手によってデジカメから電卓、iPod、プリンター、Apple WatchExcel、オシロスコープ、文字放送、Twitter、妊娠検査キットまであらゆるデバイスに移植されてきたことで知られている。

その最新の事例が、MITバイオテクノロジー博士課程の学生研究者、ローレン・”レン”・ラムラン氏によって生み出された。ラムラン氏は、蛍光タンパク質を投与した大腸菌を32×48の配列として、個別にディスプレイ画素のように発光させられるようにした。そしてそこに『Doom』を表示させることに成功したのだ。

ここで断っておかなければならないのは、Doomをそのものを大腸菌で動かしたわけではないと言うところだ。正確には、大腸菌で作ったディスプレイにDoomを映し出した、ということになる。

そして、このディスプレイのリフレッシュレートでは、まずDoomを快適にプレイすることは不可能であることも先にお伝えしておく。ラムラン氏は、32×48ピクセルの大腸菌の配列に画像を1回表示させるのに約70分を要し、それを再びすべてオフ、つまり何も表示しない状態へ戻すのに約8時間20分かかったと述べている。つまり、このディスプレイは1フレームを表示するのに9時間半を要するのだ。

通常の『Doom』のフレームレートをその設定の上限値である35fpsとし、エンディングまでの平均的な時間を約5時間と仮定すると、ラムラン氏のディスプレイでDoomをクリアするには、約600年かかることになる。

実効性はともかく、とりあえずDoomを表示できたデバイス一覧のなかに、大腸菌で構成したディスプレイが加わった。次は何がDoomを表示し、実行できるようになるのか、楽しみに待ちたいところだ。

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