普通預金口座の金利は4.5%

アップルカード、契約者1200万人を突破。昨年のキャッシュバックは10億ドル以上

Image:Primakov/Shutterstock.com

アップルが米国で提供するクレジットカード「アップルカード(Apple Card)」は、先行きが思わしくないと示唆する報道が相次いでいた。そんななか同社は、契約者が1200万人以上に達し、カード所有者は2023年内に10億ドル以上のデイリーキャッシュ(Daily Cash)特典を得られたと発表している。

Daily Cashは、アップルカードを使うたびに溜まるキャッシュバックのこと。物理カードなら1%、Apple Pay経由であれば2%、アップル直営店やT-Mobile、Uberなどパートナー企業への支払いには3%が還元される。

アップルカード所有者はデイリーキャッシュをApple Cash(個人間送金サービス。米国限定)に追加するか、高利回りの普通預金口座「Apple Savings Account」に入金するかを選べる。

公式リリースによると、アップルカードユーザーの「大半」がデイリーキャッシュを普通預金口座に自動入金することを選んでいる上に、約3分の2が紐付けした銀行口座から追加入金をしているという。アップル預金口座の金利は初め4.15%だったが、1月現在では4.5%にアップ。これは米国の他の高利回りの普通預金口座と同等である。

アップルカード利用者の約30%が毎月2回以上は支払いに利用しており、100万人以上が「Apple Card family」により家族で利用しているという。さらに約60万人が、配偶者やパートナーなど信頼できる成人とアップルカードをシェアしているそうだ。

また、アップルカードの初期審査で落とされた人向けには、「Path to Apple Card」(アップルカードへの道)プログラムを用意している。これに20万人以上が申込み、財務状況を改善するプログラムの示すステップに従った結果、発行してもらえたとのことだ。

Apple PayおよびApple Wallet担当副社長のジェニファー・ベイリー氏は来年以降、アップルカード所有者に「新しいツールや機能が提供される」と述べている。つまり、2025年以降もサービスを継続すると約束したことになる。

Apple Cardはサービス開始から5年目を迎えたが、いまだに米国以外の国には展開していない。アップルカードを共同で提供するゴールドマン・サックスとの関係が悪化しており、昨年末には12~15か月以内に提携を解消するとの報道もあった

ゴールドマンの消費者向けビジネスは全般的に不調を極めているが、損失は主にアップルカードのためとも伝えられていた。新規顧客を1人獲得するために350ドルの出費があったとの噂が本当であれば、提携解消もやむを得ないだろう。

そのためアップルは別の提携先を探しており、JPモルガン・チェースに切り替える可能性もあると見られている。ただし、その場合は高利回りの普通預金口座は廃止されるかもしれないとの指摘もあった。

いずれにせよ、アップルカード運営の内情は順風満帆とはほど遠そうだ。アップルが米国外にアップルカードの展開を計画しているとすれば、それを遅らせることを余儀なくされそうだ。

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