EV所有者なら自宅に欲しいと思うはず

EVに充電コネクタを自動接続する「ロボット充電器」をフォードが開発

Image:Ford

フォードが、来る電気自動車の時代に向けて、車内からスマートフォンで操作できるロボット式EV充電器のプロトタイプを開発している。

同社はプレスリリースで、身体の不自由なドライバーが電気自動車を購入する際の条件として「充電のしやすさ」を重視していると説明。さらに自動運転車の完全な自動化のため、ハンズフリーで充電するソリューションの研究開発プロジェクトの一環として、このロボットアーム式の充電設備を試験的に開発していると述べている。

ドライバーはモバイルアプリ「FordPass」から、この充電器を扱うことができる。アプリ操作で充電器が起動すると本体カバーが開き、ロボットアームが充電ソケットに伸びて接続。アームの先端には小型カメラを装備していて、映像をもとにアームの動きを調整する。

また、アプリからは充電状況も確認できるようになっている。そして充電が完了すれば、アームは自動的に元の位置に格納されるという仕組みだ。

欧州フォード・リサーチ&イノベーションセンターのエンジニア、Birger Fricke氏は、「自動車の給油や充電は一部のドライバーにとって大きな問題だ。ロボット充電ステーションは、多くの人々には単に便利になるものだが、一部の人々にとっては絶対に必要なものだ」と述べている。

これを裏付けるように、英国の慈善研究団体RiDCによると、調査に応じた英国の障害者ドライバーのうち61%が、障害者にとって充電がより利用しやすくなれば、電気自動車を購入検討すると回答しているという。

また欧州フォードの社員で車椅子ユーザーでもあるAngela Aben氏は「自動車を給油するだけで非常に体力が必要になったので、自分で給油すること自体をやめてしまった」と述べ、「ロボット充電器が導入されれば、誰かの手に頼らず、もっと自立できるようになるはず」だと話している。

このロボット式EV充電器は、ドイツのドルトムント工科大学と協力で開発しており、将来的には身体障害者用駐車スペースや駐車場、さらには個人宅に設置できるようになることを目指しているとのこと。

ロボットアーム式のEV充電器といえば、2015年にテスラが、多関節アームがうねうねと充電口を探して自動接続するプロトタイプを試作していたのを覚えている人もいるかもしれない。このときはイーロン・マスクCEOが「何だか思っていたのと違う」と述べており、その後製品に至ることはなかった。

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