まず「価格」が高いハードル

アップル、「Apple Vision Pro」18万台を販売済み?しかし需要が先細りする可能性

Image:Koshiro K/Shutterstock.com

アップルは先週末、米国で空間コンピュータ「Apple Vision Pro」の予約受付を開始した。基本価格は3499ドル(ストレージ256GB)、日本円で約52万円もの製品である。

その高価さにもかかわらず、週末には16万~18万台ものVision Proが売れたと著名アナリストが主張している。

アップルのサプライチェーン情報に詳しいMing-Chi Kuo氏は自らのブログで、Vision Proは予約受付が始まった直後に完売し、全モデルの出荷期間は5~7週間にずれ込んだと述べている。

ここでいう「全モデル」とは、256GB以外のオプションも含んでいるのだろう。販売ページでは512GB/1TBストレージも選択でき、1TBモデルは+400ドルの3899ドル(約57万7000円)である。

即日の完売と出荷時期のずれ込みは一見すれば明るい材料のようだが、ブログでは「重要な懸念材料が浮かび上がった」と指摘。なぜなら、予約開始から48時間が経っても出荷時期が延びず、止まったままだからだ。

iPhoneの人気モデルも予約開始した直後に完売となり、出荷時期も数週間後へと延びる。が、iPhoneの場合は24時間から48時間後にも着実に延び続け、その後も需要が押し寄せてきていることがうかがえる。

それに対してVision Proは、5~7週間後に貼り付いたままだ。これはコアなファンやヘビーユーザーが注文した後、すぐに需要が先細りになる可能性を示しているというわけだ。

先日、Kuo氏はVision Proの初期生産台数が6万~8万台に過ぎないと予想していた。

現在ではLuxshareなどのサプライチェーンパートナー(組立担当)がフルタイムの残業を行っていることから、年内に50万台出荷することは難しくないという。が、Vision Proは「まだ非常にニッチな製品」のため、需要が重要な課題になるというわけだ。

アップルには12億人以上のアクティブユーザーという基盤があり、そのうち約0.007%が予約するだけで、初期生産の8万台は即座に完売するだろう。iPhoneと比べれば、空間コンピュータ(MRヘッドセット)人気はまだまだ取るに足らないことが証明された格好だ。

Vision Proの予約受付開始とともに、アクセサリー類の価格も一挙に公開された。ZEISS製インサートレンズ(処方箋あり)が149ドル、有料保証サービスAppleCare+が499ドル、Belkin製バッテリーホルダーが49.95ドル、トラベルケースが199ドル。これにVision Pro(1TB)本体価格を合計すると、4795.95ドル(約71万円)にも上る。

AppleCare+に加入していない場合は、修理費用は最大2399ドル(約35万円)と見積もられている。もしも空間コンピュータに興味を持ったとしても、「高価格」が超えがたいハードルになりそうだ。

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