PlayStation Portal単体でもゲームストリーミング可能に?

ソニー、PS PlusをPCにも拡大? スマホやブラウザでもゲームストリーミング提供か

Image:SolidMaks/Shutterstock.com

先日、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)傘下のInsomniac Gamesがサイバー攻撃を受け、莫大なゲームの開発資料や社内人事のデータが盗み出された。その一部ファイルはネット上に流出し、『Marvel’s Spider-Man 2』の開発費が3億ドル(約430億円)に上ることが驚きを呼んでいた

それら流出情報から、SIEが定額制ゲームサービス「PlayStation Plus」の提供範囲を従来のゲーム機だけでなく、PCやモバイル機器、ブラウザやスマートTVへの拡大を計画していることが明らかになったと報じられている。

これら資料はSIEが意図して公開したものではなく、本物であることを厳密に裏付ける手段もない。よって、ネット上に出現したスライドの画像は掲載せず、その内容を伝えるに留める。また、これらの情報がある時点で正しかったとしても、その後にSIEが計画を変更する可能性もあるだろう。

以下は、これらスライドで説明されていた計画のあらましである。

  • モバイル: ファーストパーティおよびサードパーティのタイトルをモバイル機器向けに最適化し、ローカライズしたマネタイズ戦略を採用する可能性もある
  • PC:PS PlusをPC向けに拡大することは、PlayStation Studios(SIE傘下スタジオ)が自社タイトルをPC向けに提供する最近のトレンドに沿ったものだ。この方針は、既存のPC向けゲームをライブサービス(継続的に進化していくサービス)に活用し、新規顧客の獲得を目的としている。
  • ゲームストリーミング: PS Plusのタイトルをモバイル、ブラウザ、スマートTVでプレイできるよう、ゲームストリーミングの選択肢をPlayStation Networkのゲーム機(現状ではPS5)以外にも拡大する意向であり、一部のプレイヤーにとってアクセス障壁を下げる可能性がある
  • 既存加入者を繋ぎ止める:ソニーはPS Plusのすべてのティア(エクストラ/エッセンシャル/プレミアム、3つの価格プラン)において、より大きな価値を提供する必要性を認識している。これにはパートナーシップや独占ゲームの提供、革新的なコンテンツなどが含まれる可能性がある

こうした拡大戦略は、ちょうどSIE上級副社長のエリック・レンペル氏の発言とも符合している。そこではPSS Plus加入者の3分の1が、上位2つの価格プラン(エクストラとプレミアム)を選んでおり、予想を上回っていること。そして9月に大幅値上げしたことにつき、PS Plusを素晴らしいものにするつもりだと語っていた。

今後、PlayStationハード以外に対象プラットフォームを広げて行くのであれば、値上げはそのための資金を確保するためとも推測できる。また30%以上もの値上げは、既存ユーザーからはサービスの拡充を求められることになるだろう。

11月に発売されたPlayStation Portalは、今のところ「PS5のリモートプレイ専用機」に留まっている。だが、いずれスマホやブラウザとともに、PS Plusのゲームストリーミングが “解禁” されるのかもしれない。

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