ポルノサイトはユーザー数を過少申告する傾向あり

EU、ポルノサイトをXやFacebookと同じ「超巨大オンラインプラットフォーム」規制対象に

Image:chrupka/Shutterstock.com

欧州委員会はポルノサイトPornhub、XVideos、Stripchatの3つを、EUデジタルサービス法に基づき「超巨大オンラインプラットフォーム」(VLOP)として正式に指定した。これはAmazonやFacebook、Xと同じカテゴリーである。

公式プレスリリースによると、3つのサービスはEU域内での月間平均利用者数4500万人の基準を満たすと結論づけたとのこと。これにより3つとも、2024年2月までにDSAの厳しいルールの遵守を義務づけられる。

具体的には、未成年者を含むオンラインユーザーを保護するための具体的措置を講じ、リスク評価を実施し、児童性的虐待やディープフェイクポルノな等の違法コンテンツ拡散に歯止めを掛けなければならない。また外部監査を受け、コンテンツ規制の決定に関する透明性報告書を公表し、研究者に公開可能なデータを提供することも義務づけられる。

欧州委員会は2023年4月、17のオンラインプラットフォームと2つの検索エンジンをVLOPに指定した。このリストにはAmazonやアップルのApp Store、FacebookやInstagram、X(当時はTwitter)、YouTube、Google検索などが含まれている。そこにポルノ関連が加わったことは、今回が初めてだ。

日本でも知名度が高いXVideosは、EU域内での月間平均利用者数が1億6000万人だと発表。かたやPornhubは3300万人だと主張しているが、EUは同社の自己申告を信じていないようだ。

実際、10月にはEuropean Digital Rightsなど30のNGOは、一部の大手ポルノ・プラットフォームが報告した数字を「驚くほど少ない」と言い、それらをVLOPに指定するよう働きかけたと報じられていた。要は数字を小さく表明し、責任逃れしているというわけだ。

特にデジタル公民権団体「Access Now」はPornhubの発表を問題視しており、3300万人という数字は「あり得ない」と批判している。SimilarWebのトラフィック分析によれば、Pornhubは月平均20億人以上が閲覧しているようだ。

今回のVLOP指定は、全世界的にポルノサイトの年齢確認を厳しくしようとする動きが強まる中でのことだ。米国でも一部の州で締め付けが厳しくなる一方で、ヨーロッパでは英仏が国レベルでの規制を推進している

関連キーワード: