Wattwayは栃木県でも敷設事例があります
サイクリングロードに太陽光パネル設置、オランダでテスト開始
オランダは人口よりも自転車の数が多いほどの自転車大国として知られており、国内の自転車専用レーンや専用道路の総延長は3.5万kmを超えるとされている。そのうちの2つの自転車専用道路で、再生可能エネルギーを生み出すためのテストが開始された。
このテストでは、BAMグループとコラスというオランダの建設企業2社の協力により、コラスの子会社Wattwayが世界初の太陽電池内蔵舗装材として開発したWattway Packをオランダ国内2か所の自転車専用道路、各1000平方mに敷設した。
Wattway Packのコンセプトは2015年に始まり、2016年にはフランス・ノルマンディーの田舎道で舗装テストを実施、2019年の商業化を経て、合計50以上のパイロットサイトでテストされて来た。その間に、発電効率も当初の119Wp/m2から、いまでは148Wp/m2にまで向上してきている(Wpはwatt peakを表す単位で、太陽光発電のように出力が変動する電源における標準条件でのワット数を指す)。
オランダ国内でも、いくつか太陽光発電舗装のテストが行われてきたが、それらはいずれも公道ではなく、限られた敷地内でのものだったという。
今回の試験は、自転車専用ではあるものの、既存の道路に設置されている。各太陽光パネルは、日々の自転車の通行による負荷や摩耗に対する保護のため何層もの樹脂で覆われ、一時的に蓄電するためのバッテリー用キャビネットも付属している。
試験は今後5年にわたって敷設したWattway Packを運用・監視し、毎年160MWhの再生可能エネルギーを生産することを目標にするという。
ちなみにWattwayには、フランスでは道路に設置した太陽電池舗装材と蓄電システムを活用し、夜間に照明を点灯させたり、電動自転車の充電スポットを設置したり、さらには文化遺産をライトアップするといった利用事例がある。また日本でも、施設への電力供給のため、駐車場に舗装材を敷設した例があるとのこと。