Epic Gamesとの反トラスト訴訟で敗北後に

Google、Androidアプリストアでの選択肢と柔軟性向上に取り組む声明を発表

Image:achinthamb/Shutterstock.com

Googleと『Fortnite』で知られるゲーム大手Epic Gamesの裁判は、今月11日(現地時間)にGoogleのほぼ敗訴でいったん決着した。これを受けてGoogleは、Androidプラットフォームにおけるアプリストアの選択肢と柔軟性の向上への取り組みを概説する声明を発表している。

この訴訟は、2020年にEpicがGoogleを相手取って提訴したものだ。GoogleのAndroid向けアプリストア「Google Play」がアプリの販売と決済を独占していることが反トラスト法(独禁法)とのEpic側主張を、陪審は全員一致で支持した格好だ。

EpicはアップルのApp Store運営にも同様の訴訟を起こしたが、そちらはアップル側から見れば「圧倒的な勝利」に終わった。両裁判の主な違いは、アップルとの訴訟に陪審員がいなかったことだ。

またEpicとの訴訟とは別に、米国の36州以上はGoogle Playストアが反トラスト法違反だとして同社を提訴。そちらは9月に和解に達し、今月18日には和解案が発表され、Googleが和解金として総額7億ドル支払うことや、アプリストアを改善することを約束している。

これらを受けて、Googleは公式ブログで「AndroidとGoogle Playにおける選択肢とオープン性の再確認」なる声明を公表。「我々はこの評決に異議を唱え、Epicとの裁判はまだ終わっていない」として法的異議を維持しつつ、AndroidとGoogle Playにつきユーザーと開発者の双方に歩み寄る姿勢を示している。

ざっと要約すれば、「サイドロード(公式アプリストア以外からのアプリのインストール)」の簡素化」「ユーザーが決済手段を選べる」「価格設定の透明性」および「Google Play以外のアプリストアを使いやすくする」といったところだ。

まず、ユーザーは開発者のWebサイトから直接アプリをダウンロードしやすくなる。プロセスが簡素化され、より分かりやすいセキュリティ警告を提供する。また開発者はアプリ内課金をPlayストア以外に自由に提供できるようになり、ユーザーは多くの決済方法から選べるようになる。

さらに開発者はアプリの外でもサブスクリプションを提供したり、競合アプリストアや外部サイトで安いオプションがあるとユーザーに知らせることも可能になる。そしてAndroid端末では以前から複数のアプリストアのプリインストールが可能だが、Android 14ではサードパーティ製アプリストアの体験を改善する機能が導入されたと述べている。

GoogleはAndroidの選択肢と柔軟性を強化するとしつつ「強力なセキュリティ保護を維持」と強調。つまりGoogle Play以外でのサイドロード時に表示される警告を、文言を調整することはあれ、外すつもりはないようだ。

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