梅干しではありません

ISSでほぼ1年行方不明のトマトが見つかる。食べたと疑われたルビオ飛行士の容疑晴れる

Image:NASA

国際宇宙ステーション(ISS)で2022年に実施した、地球外環境における水耕・風耕栽培技術による植物の成長実験「XROOTS」でNASAの宇宙飛行士フランク・ルビオ氏は、収穫した2つのドワーフトマトを紛失してしまった。

ルビオ氏は軌道上で371日間の滞在という最長記録とともに今年9月末に帰還したが、翌月に行われた記者会見では、このトマトのエピソードについて語っている。ルビオ氏は、収穫したトマトは小さな袋に入れていたが、そのときクルーのひとりが地上の子どもたちと会話するイベントの最中だったので、宇宙で収穫した最初のトマトを見せてあげようと思った。ところがイベントの最中に、トマトを入れた袋がマジックテープで貼り付けたはずの場所から消えてしまっていたと述べた。

ルビオ氏はその後、8~20時間をトマトの捜索に費やした。なぜそこまでしてトマトを見つけようとしたのか、という問いに対してルビオ氏は「自分が食べたのではない」ことを証明したかったからだと述べている。結局、トマトは発見することができずじまいとなり、ルビオ氏は「いつか誰かがそれを見つけてくれることを願っている」としていた。

そしてその願いは、それから8か月を経てかなうことになった。12月6日、ISSに滞在中のジャスミン・モグベリ飛行士がISSの25周年を祝うNASA幹部と滞在クルーのビデオ通話のなかで「私たちの良き友人フランク・ルビオは、ISSで栽培したトマトを食べたとして長い間からかわれてきたが、私たちは彼の無罪を証明できます。私たちはトマトを見つけました」と述べたからだ。

発見されたトマトは、ISS船内のどこにあったのかは述べられていない。だが、多少の変色を除けば、目に見える微生物や真菌の増殖は見られなかった」とNASAは述べている。ただ、このトマトはすでに廃棄され、分析などは行われなかったとのこと。

地球外環境での食物栽培は、将来の月や火星への有人ミッションにおける重要な研究のひとつだ。宇宙で植物を栽培することは、持続可能性や将来の宇宙ミッションでの食料、その他サービスの提供だけではなく、ガーデニングを行うことで宇宙飛行士らに心理的に良い効果があり、宇宙での生活の質を高め、士気を高める効果があるという。

また、宇宙ステーションでの研究は「地球上で食用やその他重要な用途のために栽培される植物を改良する取り組みにも役立つ」とNASAは説明している。

関連キーワード: