空間オーディオで再生されなくても、報酬は出るかも

Apple Music、空間オーディオで楽曲提供するアーティストへの報酬を検討中?

Image:Hadrian/Shutterstock.com

Apple Musicは、通常のステレオ楽曲でなく、空間オーディオ形式で楽曲を提供するアーティストに対しては報酬与える方針だと報じられている。

Bloombergは、Apple Musicが空間オーディオで楽曲をリリースするアーティストには2024年より「追加の重み付け」を行うと述べており、これはロイヤルティを増やすという意味だと推測している。さらに、Appleがロイヤルティや報酬を得るためにユーザーが、これらの曲を空間オーディオでストリーミングすることを要求しておらず、その要件はアップロードのみに重点を置いていると指摘した。

Appleは自社でAirPodsからHomePodのようなスピーカー製品からMac、iPhoneまで、空間オーディオをサポートするアイテムを多数販売しており、Apple Musicのセールスポイントである空間オーディオに対応する楽曲を増やしたい、できればすべて空間オーディオにしたいと考えていてもおかしくはない。

すでに多くの楽曲をApple Musicに提供してきたアーティストであれば、既存の楽曲を空間オーディオでミックスし直すだけで良い。Bloombergいわく、その作業にかかるコストはそれほど高くないという。それが本当ならば、インディーズや駆け出しのアーティストもApple Musicに参加する動機になるだろう。

しかし、インディーズのアーティストを支援する製品を手がける企業InstrumentalのCEOであるConrad Withey氏は、駆け出しのアーティストにとっては、通常のステレオに加えて空間オーディオでミックスされた楽曲を提出するのにかかる費用は馬鹿にならないと指摘している。たとえ追加の報酬があるとしても、Apple Music が一般的に推進しているストリーミング数を考慮すると(報酬が強化されるとしても)、必ずしも実行可能なROI(投資利益率)があるとは思えないとのことだ。

また、音楽ストリーミングサービスとしては、Amazon MusicやTidalなども空間オーディオをサポートしている。しかし、最も大きなライバルSpotifyは、空間オーディオどころか、ロスレスフォーマットでの配信にもいまだ対応していない。

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